幹事クリタのコーカイ日誌2004

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4月3日 ● 開幕投手に川崎。

 なんという奇襲でしょうか。中日の落合監督は、開幕投手に川崎憲次郎を起用しました。ヤクルトから中日に移籍して3年間、一度として一軍のマウンドに立ったことがない川崎。高額な年俸を払い続けた中日は、それでも4年目の今年、川崎の復活に期待をかけていました。だからと言って開幕投手とは驚きです。

 中日には野口がいます。川上もいます。山本昌だって平井だっています。先発投手陣の層の厚さならリーグでもナンバー1でしょう。川崎が出てきてくれれば確かに大きな戦力ですが、かと言って復活できなくてもなんとでもなるだけの投手力を誇っているのです。

 それなのに敢えて落合は川崎を先発のマウンドに送り出しました。初回は無難に抑えたものの、2回に打ち込まれ5失点。あっさりマウンドを降りてしまいました。失敗です。この時点で落合と川崎は心中してしまったようなものです。

 ところが、ここから残る選手たちが二人を救いました。打線はこつこつと反撃して、広島先発の黒田から点を奪い取り5点のビハインドをひっくり返してしまいました。救援投手陣たちは、懸命のリレーで広島の攻撃を防ぎました。結局、中日は見事な逆転劇で開幕戦を飾ったのです。

 この結果をどう見るかは難しいところです。奇を衒ったように見える川崎先発。川崎は打ち込まれてやはり一軍では通用しないか、という印象でしたし、落合の受けを狙ったとしか思えない「オレ流」采配も今後に不安を残しました。

 反面、選手のモチベーションは上がったかも知れません。懸命に努力を続けてきた川崎にチャンスを与えたことは、これまでチャンスを貰えなかった選手にも大きな刺激になったことでしょう。また落合は何か型破りなことをしてくる、と相手チームに思われたのなら、決してそれはマイナスではないでしょう。

 この奇策が吉と出るか凶と出るかは、現時点では判別できないと思います。開幕戦に限れば失敗の川崎先発でしたが、シーズン通して見た時には、このインパクトの強い采配が最後になって有効になっているかも知れないからです。

 なにせこの開幕戦、川崎以外はみな活躍しました。岩瀬が開幕戦に間に合ったこと、リナレスが今年は打ちそうなことなど、いくつも明るい材料がありました。阪神V2を阻むのは、巨人よりも中日かも知れないと思えた開幕戦でした。


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