子どもが春休みの間にどこかに連れていってやろうと思って、昨日は犬山の明治村に行ってきました。1965年の開村以来はや39年。僕が初めて訪れたのは10才くらいの時で、それ以来数回は来ていますが、当時から今に至るまで基本的にはほとんど変わっていないのが、かえって嬉しいところです。

　明治村は博物館です。遊園地やテーマパークではありません。貴重な建造物と資料を展示しているところですから、目先の楽しさを求めてコロコロ変わられては困ります。近年は入場者数の減少に悩んで、いろいろとイベントを企画していますが、博物館としての基本はきちんと保って欲しいと思っています。

　とは言え、きっと財政は苦しいことでしょう。明治村には重要文化財だけで10件、他にも貴重な建物がたくさんあるので、恐らくその維持管理だけでも相当多額の出費を強いられていると思います。入場料もむやみと値上げするわけにもいかないでしょうし、逆に値下げして入場者が増えてもそれだけ建物も傷むわけで、痛し痒しのところもあることでしょう。

　結局オーナーである名鉄が頑張るしかないわけですが、なにせ「世界のトヨタ」を中心としたクルマ社会の名古屋では、名鉄も簡単には儲かりません。次々と遊園地を閉園してリストラをしていく中で、明治村ともうひとつの野外博物館であるリトルワールドの存続を決定しただけでも、名鉄は立派だと思います。

　そう言えばこのたび明治村の三代目村長に小沢昭一が就任したというニュースがありました。初代徳川夢声、二代目森繁久弥、そして三代目が小沢昭一。彼は明治生まれではありませんが、真面目な意味で「古き良き時代」を体現している人物だと思います。小沢昭一だから明治村の入場者が増えるとは思えませんが、少しでもＰＲ効果が上がって、この「名古屋の良心」的観光スポットに脚光が当たれば良いなと願っています。

　実際、今の時期はすでに桜も咲いていて風光明媚な明治村を訪れるには絶好のシーズンです。今週末あたりいかがでしょう？