幹事クリタのコーカイ日誌2004

[ 前日翌日最新今月 ]


 
3月15日 ● 陸連は高橋を切れるか。

 アテネ五輪最後の選考レースとなった名古屋国際女子マラソン。戦前の予想では土佐礼子も大南敬美も記録の出ない名古屋ではダメだろう、と言うことで、高橋尚子の代表選出濃厚ということでした。もっともこれは予想と言うよりは「情報操作」に近いもので、そういう観測を流しておいて、東京で負けた高橋を何とか救済しようと陸連とマスコミが共同作業している感が強かったのです。

 ところが実際に走ってみると、土佐礼子が思わぬ激走。一度は田中めぐみに50m以上も引き離されていながら、そこから見事な逆転を果たしてトップでゴールを切ったのです。しかもタイムは2時間23分57秒。気温が高く記録が出ない名古屋での23分台は十分評価できるものです。

 世界陸上で2位に入り内定を出した野口みずきは動かせません。大阪で見事なレースでライバルたちをぶっち切って優勝を果たした坂本直子も文句なしでしょう。残る1枠、陸連の思惑はもちろん高橋でした。東京では最後に失速して2時間27分台で敗れ去りましたが、実績ではもちろん日本一。アテネでラドクリフに勝てるとしたら高橋しかいない、というのが陸連の見方でしょう。

 しかし、土佐が来てしまいました。名古屋で優勝したのが田中なら実績がないからと退けられるところですが、土佐は世界陸上銀メダルという堂々たる実績を誇っています。順位、タイム、レース内容、実績の全てにおいて文句のつけようがない土佐と、実績だけの高橋。公正に見れば代表争いは土佐の完勝でしょう。

 こうなると高橋を選ぶ妥当な理由を見つけることができません。妥当じゃない理由ならもちろんあります。高橋が出れば人気が上がる、視聴率が稼げる、放映権料ががっぽり入る。大人の理屈では良いことだらけです。さて、陸連は高橋を切ることができるかどうか。毎回恒例の五輪代表争いを巡る女子マラソンのゴタゴタがまた始まりそうです。


とりあえず、読むたびに(1日1回)

を押してください。 日記才人という人気ランキングに投票されます。
初めての方は、初回のみ投票者登録画面に飛びます。
結構更新の励みにしていますので、押していってくださると嬉しいです。