幹事クリタのコーカイ日誌2004

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3月9日 ● 野島ドラマ、三谷ドラマ。

 先週に続いて『プライド』を後半だけ見ました。どうやらかったるい前半は見なくても大丈夫、毎回後半のしかもラスト15分くらいで急展開するので、そこだけ見る癖がついてしまいました。先週はあんな頑丈そうな坂口憲二がエスカレーターから落ちたくらいで死にそうな大怪我するし、今週はクールが売り物だったハルことキムタクが、何をとち狂ったかいきなり谷原章介を殴り飛ばして留置所送り。

 まあいかにも野島伸司ドラマらしく真っ逆さまに不幸一直線なわけですが、それにしてもリアリティがありません。そんなキャラクターじゃないでしょ、と突っ込みたくなる脚本も無茶ですが、さらに演出もいかがなものかと思います。だってベタ過ぎるでしょ、あれは。いくら子ども向けドラマでわかりやすくとは言え、まるで「軽井沢夫人」(byクドカン)かと思うような昼の連ドラチックな過剰演出。『エースをねらえ!』の方がまだ「笑える」というベクトルをもっているだけマシというものです。

 それに比べ『新選組!』は随分と見方がわかってきました。あれは日本の江戸時代に良く似たパラレルワールドの出来事を描いているのです、多分。太陽の裏側、我々からは決して見ることができない位置にある「もうひとつの地球」では、江戸時代末期に近藤勇が勝海舟の家に遊びに行ってシャンパンを飲んでいたのでしょう。

 そんなもうひとつの惑星の歴史ドラマだと思ってみれば、なかなか楽しめる作品だと思います。初登場野田秀樹の勝海舟は白眉でした。きっとあんな面白いオヤジだったんだろうなぁ、と思いました。江口洋介と石坂浩二が一緒に出てくると、どうしても「大河よりも大河らしい」豪華キャストの病院ドラマの方を思い出してしまうのが難点ですが、あの勝海舟の家のシーンは少しだけ大河ドラマらしい空気が流れていました。

 近藤勇の道場のシーンになると、途端に民放バラエティな空気が流れるのはある程度狙いだから目をつむるとして、土方歳三の魅力のなさと、野際陽子の過剰な演技はどう捉えたらいいのか未だにわかりません。特に野際はコメディリリーフとして起用されているのでしょうが、正直あそこまでコミカルである必要があるのかどうか。

 もしかしたらまだ僕が「大河ドラマ」にこだわっているのがいけないのかも知れません。これは大河ドラマではなく「三谷ドラマ」であると思えば、この程度のハチャメチャさなどきっとまだ抑えが効いているというものでしょう。今後ますますヒートアップして三谷ドラマっぽくなっていくのか、どこかで物言いがついて大河ドラマ的方向に揺り戻しがあるのか、長丁場なだけにその振幅も楽しみです。


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