幹事クリタのコーカイ日誌2004

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2月18日 ● 自分のことは棚に上げ。

 F子さんは僕と同い年。高校3年生になる一人娘がいます。F子さんと僕の話題の中心はいつもこの娘さんのことと、ダンナの悪口。まあ僕と話すのが彼女にとってひとつのガス抜きなのでしょう。

 F子さんはダンナにあまり愛情がない分、当然のことながら娘をかなり可愛がっています。僕はその子が小学生の頃と、中学生の頃に二回、チラッと見たことがありますが、可愛らしい女の子でした。F子さんによると発育が遅く奥手で精神的にも幼いということですが、それはいつまでも可愛い子どもでいて欲しいという彼女の願いも半分入っているなと感じていました。

 そんな娘さんに彼氏ができたと聞いたのは去年の秋。F子さんはそれまで「あの子は子どもだから彼氏なんかできないのよ」と言っていましたが、遂に彼氏ができて本人よりも母親の方があたふたしているようでした。彼氏は大学2年だということで、まあ妥当なところでしょう。

 とりあえず娘さんと彼氏は健全なお付き合いだったらしく、家まで送り迎えもしてくれて、ちゃんと挨拶もしていくのでF子さんは安心していたようですが、とうとうその時が来てしまったようです。

 「ねぇ、どうもあの子、しちゃったらしいのよ!」。F子さんは少々興奮気味に話します。「何にも言わないけど、帰ってきた時の顔を見てピンときちゃったんだ。ショック!どうしよう、イヤだイヤだ」と本気で取り乱しています。さすがに母親の勘です。きっと当たっていることでしょう。

 でも他人から見たら、仕方ないだろうと思います。彼氏は大学2年で娘は高校3年。彼女は受験も終わり、高校卒業までバイトと自動車学校に精出す毎日。付き合って3ヶ月。バレンタインデー。完全に条件は整っています。言い換えれば、娘さんはごく普通であり、まったく正常な成長を遂げていると言えるでしょう。僕たちの時代とは違うのですから、ここであまり文句を言ってもねぇ。

 そうF子さんに言うと、「でもダメ!早すぎる」と強硬です。あのね、そんなことでブツブツ言ってるよりも、ちゃんと娘さんに避妊をしているかどうか確かめた方がいいよ。「えー、絶対そんなこと言えない」だそうで。でも母親が言ってやらないと、誰も言わないよ。娘のために言ってやらなきゃ。

 そもそも僕はF子さんの初体験を聞いて知っています。彼女は何と高校1年だったそうです。僕たちの時代としては破格の早さです。そんな奴「不良」です。少なくとも30年ほど前の日本では不良扱いされても仕方ありませんでした。そういう母親が、自分の過去を棚に上げて正常進化の娘を「早すぎる」と怒っているのですから、親心は面白いものです。

 次は春休みに二人で旅行に行く計画を立てていると思うよ、友達と行くからって言うだろうから、止めちゃダメだよ、とF子さんには言っておきました。果たしてどんな報告が入るか楽しみです。


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