幹事クリタのコーカイ日誌2004

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2月17日 ● カネボウは立ち直れるのか。

 カネボウが花王に化粧品事業を売却するという話が撤回されました。何でも労組が猛反対したそうです。カネボウは元々はその名の通り紡績会社ですが、繊維事業以外にも化粧品、薬品、食品、その他の5部門で事業を展開する多角経営で知られています。

 ところが、実際には化粧品だけが儲かっていて、後は全てダメ。いくら化粧品で儲けても、他が足を引っ張ってしまって、かつての名門企業(戦前には日本の民間会社で売り上げナンバー1になったこともあるとか。今では考えられません)も、アップアップの状況です。

 そこで、儲かっている化粧品事業を花王に売って、その金で一気に借金をチャラにしてしまおう、というのがカネボウ経営陣の計画でした。もちろん、花王としてもブランド力のあるカネボウの化粧品事業を手に入れることができれば、今後ますます成長できますから願ってもない話です。

 ところが、カネボウの労組がこの計画に猛反対しました。稼ぎ頭の化粧品を失って、残る儲からない事業ばかりでは先行き不安。とりあえず借金はキレイになっても、結局会社は潰れちゃうんじゃないの?というのです。

 ほとんど合意していて、後は記者発表するだけだったはずのこの売却話は、最後の最後で大どんでん返し。カネボウは花王への売却をやめて、産業再生機構に支援を頼むことにしました。花王は激怒していますが、今さらぐちゃぐちゃ言っても仕方ないと諦めているようです。カネボウ労組は一安心でしょう。

 しかし、産業再生機構に頼ったところで、カネボウ社内のリストラは必至です。このままではダメな以上、不採算部門は切り捨てていくしかありません。労組は決して安心できないと思います。

 また化粧品事業も花王の代わりに再生機構が出資して子会社化し、売りやすいカタチに整えたところで、どこかに売却することになるわけです。そのために公的資金も投入されます。うまく整理して高く売却しないと、ムダに国民の税金が使われるわけで、非難を浴びることは間違いありません。

 結局、カネボウ経営陣がここまで事態が切迫するまで手をこまねいていたことが全て悪いのです。名門企業ゆえの奢りや油断、見通しの甘さがあったのでしょう。他人事ではない会社も多いはず。カネボウがうまく立ち直れることを祈ります。


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