幹事クリタのコーカイ日誌2004

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2月16日 ● 言うべきか、言わざるべきか。

 誰だって生きてれば機嫌の悪い時があります。怒り、悲しみ、憎しみ、蔑み。そういった負の感情を持った時に、どこかにぶつけることで発散し紛らわようとします。しかし、ぶつけるべき相手とタイミングを間違えると、さらに余計なトラブルを引き起こしてしまうものです。

 若い頃はこうした感情のコントロールがとても下手でした。誰かに対して腹が立つ。怒る。その原因は自分にある場合も、相手にある場合も、また両方がともに悪かったり、ともに悪くはないんだけど立場や考え方の違いでぶつかったり、その関係性はいろいろです。

 しかし、当時は自分が腹が立っている、そのことが一番重要だと思うと、とにかく自分は「怒っているんだぞ」と相手に伝えなくては気が済まなかったのです。ともすれば相手だけではなく周り全ての人間にそれを周知させたくて、言い触らしたりして、ますます相手との関係をこじらせるばかりでした。

 我慢すること、言葉を飲み込むことが「負け」だと感じ、怒ることで相手より優位に立てると信じていました。その実、それは単に自分のストレスを吐き出しているだけで、相手に自分の言葉がどれだけ届いているかなど、全く考えてはいなかったのです。

 そんな愚行を繰り返しているうちに、どうやらこれは無意味で無駄な行為だと自覚するようになりました。もちろん、言うべきことは言わなくてはなりません。しかし、言うべきことかどうか、そして言うべきタイミングかどうかをまず冷静になって考えなければ「言うだけムダ」なのです。

 相手に伝わるように言葉を選び、タイミングをはかり、状況を整えてから言う。もしくは、言わない、という選択肢さえある。それに気づくまでに長い時間がかかりました。それでも時々言葉とタイミングを間違えて、余計に面倒なことになり、「言わなきゃよかった」と思うことがしばしばです。

 ここのところ、会話だけではなくメールというコミュニケーションツールが広がり、ますます「何を言うか」「いつ言うか」「どう言うか」という判別が難しくなりました。自分が言いたいことをただ言うのではなく、相手に伝わるように最適なメディアで言う。そして言わなくてもいい余計なことは言わない。広告という仕事ではいつも考えていることなんですが、いざ自分自身が広告主となると難しいものです。

 「言わなければ伝わらない」というのは真実ですが、「言っただけでも伝わらない」こともまた真実なのです。と言うことで、最近腹に溜め込んでいるあれやこれやが多くて、ますます腹が膨らんできたような気がします。いや、この出腹が原因が違うかな。


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