幹事クリタのコーカイ日誌2003

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12月25日 ● 娘の手作りケーキ。

 20代の人には信じられないかも知れませんが、クリスマスを恋人同士で過ごすものだと日本人が思いこんだのはまだそれほど遠い昔のことではありません。せいぜいこの10数年のことです。バブルの予兆があった1980年代半ばから、日本では「クリスマスは恋人と」キャンペーンが張られて、それにうまうまと若者が乗ってしまったのが始まりです。

 それ以前の日本のクリスマスは、小さな子どもがいる家では家族でケーキを食べる日であり、それ以外の大人たちにとっては飲んで騒ぐ口実の日でした。当時のサザエさんを見ればそのあたりの様子は理解できると思います。

 ところが、80年代にクリスマスを何とか儲けるためのイベントとして活用できないかと考えた人々がいて、彼らが恋人のためにアクセサリーを買おう、恋人のためにレストランとシティホテルを予約しよう、恋人に会うために新幹線に乗ろう、恋人とスキーに行こう、と大キャンペーンを展開したのです。ドラマではクリスマスに向けて恋人達が出逢い盛り上がっていましたし、CMでも恋人に会うために牧瀬里穂が走り山下達郎が歌っていました。

 しかし、そのキャンペーンが展開された頃に結婚してしまった僕は、残念ながら恋人のためにクリスマスに大散財をした経験がありません。毎年地味にホームパーティをやったり、子どもが生まれてからは地味に子どもとチキンとケーキを食べていました。

 ところが今年は様子が変わりました。と言っても派手になったわけではありません。たださえ地味だったクリスマスイブがさらに地味になったのです。実は僕の実家の父が体調が思わしくなく、そのために母が顔を出してくれというので、家族揃って実家に行ってきたのです。イブの夜を実家で過ごす。しかも父は病人。これ以上地味なクリスマスはなかなかありません。

 幸い父は僕たちが顔を出したら少し元気が出たようで、母も辛気くさいクリスマスイブを過ごさずに済んだので喜んでいました。娘は今年のクリスマスケーキは自分で作りたいと張り切っていたので、急遽実家にまで材料を持ち込んでケーキ作りを始めました。

 と言ってもスポンジはすでに既製品を用意しておいたので、後は生クリームを作ってイチゴと生クリームでデコレーションするだけです。もっとも娘にしてみればそれが一番の楽しみですから、実家の台所で嬉々として取り組んでいました。

 出来上がりはご覧の通り。まあはじめての作品としては上出来でしょう。ファッションデザイナー志望の娘も、急に「パティシエもいいかな」などと言い出しました。確かにケーキ作りは楽しそうですからね。でも太ると思うんですよ。このケーキも僕と母と妻で6分の1ずつ食べて、残り2分の1を娘がひとりで平らげましたから。


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