先日ある女性が「わたしは恋愛って苦手です」と言いました。苦手というのは嫌いという意味ではなく、下手だという意味のようです。つまり、上手に恋愛を楽しむことができずに、すぐにぎくしゃくしたりトラブルになったりして長続きしない、うまく恋愛をマネジメントできないみたいなんです。

　恋愛をうまくこなせないという人には、僕はあるパターンがあると思っています。それは「思い込み過ぎる」ということです。ある時は相手に対して、またある時は恋愛そのものに関して、ある種の理想像を持っていて、現実がそれに当てはまらないから四苦八苦してしまうというのが恋愛下手の典型です。

　こういう人は付き合ってもうまくいきませんが、それ以前に付き合うことにすら至らない人もたくさんいます。恋愛とか恋愛相手に過度の期待と理想を抱いているので、現実と折り合えないまま「彼女（彼氏）いない歴」を着々と重ねていってしまう人たちです。

　こういう人は「もてる」とか「もてない」は関係ありません。ルックスも性格も良くて、条件的には問題ない人でも、理想が高すぎて相手が見つからない人はたくさんいます。しかも恋愛というのはある程度経験を積んでスキルアップをしていくものですから、理想ばかり追い求めて現実と折り合わないタイプはいくつになっても経験値がたまりません。

　逆に大してルックスは良くなくても、適当に相手を見つけて恋愛を楽しめる人もいます。こういう人は、相手をちゃんと観察しているので、上手に付き合うこともできるしトラブルも未然に防ぐことができます。別れる時にもあまりドロドロの修羅場になったりしません。別に「遊び人」ではなくても、体質的にそういう「上手な恋愛」型はいるようです。

　もっとも、ライトな恋愛好きとヘビーな恋愛好きがいて、ヘビーなやつが好きな人は、そもそもそんな「上手な恋愛」自体を望んでなんかいません。「ドロドロ」「ぐちゃぐちゃ」が大好き、心身ともに振り回されることこそ恋愛の醍醐味でしょ、という人たちです。少なくとも不倫には向いていないタイプですが、こういうタイプが不倫に燃えたりするから始末に負えないんですよね。現実にそうなっている人を知っていますが、とても恐ろしくてここには書けません。