幹事クリタのコーカイ日誌2003

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10月16日 ● 宇宙も良いけど地球もね。

 僕は1961年生まれです。この年の事件と言えば、ガガーリンが初めて有人宇宙飛行をして「地球は青かった」という名言を残したことです。旧ソ連に続きアメリカもこの年に人間を宇宙空間まで飛ばして、米ソの宇宙開発競争が始まりました。

 あれから42年。人間を宇宙まで運んだ国は、この2ヶ国以外ずっと現れませんでしたが、とうとう中国が3番手として名乗りを挙げました。最近の躍進する中国を象徴するような出来事ですが、アメリカも日本もとりあえず「おめでとう」と言いながらも冷静な態度を取っています。

 中国は今後ますます宇宙開発を進めていき、数年後には月面着陸を目標にしているそうです。なんだか30年以上時計が逆回りをしたような錯覚すら覚えるフレーズです。月面着陸?アメリカがアポロ11号で大昔に実現したことを、もはやそのアメリカすらとっくに中止した事業を、改めて中国は目標にして、一体それで何を得るというのでしょうか。

 月面着陸に限らず、人を宇宙に飛ばすことは人類の夢ですが、反面壮大なムダ使いでもあります。米ソ以外の国が42年もそこに手をつけなかったのは、技術がないからでもお金がないからでもなく、メリットがないからです。有人宇宙飛行にかかるお金は一説によると1兆円を軽く超えるそうです。それだけのコストをかけて、どんなメリットがあるかと言えば、「国家の威信」が上がるというくらいのものです。

 村上龍じゃありませんが、そのお金を他のことに使えば一体どれだけのことができるか、と誰しも考えます。21世紀に求められているのは宇宙を飛ぶことよりも、地球環境を守ることであり、飢えや貧困や病気で苦しむ人々を救うことです。

 12億人もの人口を抱える中国が、このまま経済的にどんどん発展していき、欧米並の生活を手に入れたら、どれだけ多くのエネルギーを消費し、どれほど地球環境を破壊することになるか、世界中の誰しもが心配をしています。かと言って、中国人にいつまでも現在のレベルの生活で満足していろ、と言うわけにもいきません。イギリスから始まった高度資本主義は地球を西に進み、アメリカ、日本を経て中国へとたどり着いてしまったのです。

 中国は宇宙開発に金をつぎ込む前に、まだまだ地球の上で人類を守るためにやるべきことがあると思います。

 

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