幹事クリタのコーカイ日誌2003

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10月18日 ● 星野の最高の一手。

 突如の勇退宣言で日本中を驚かせた阪神星野監督。さすがにパフォーマンス上手の彼らしいタイミングでの発表だと思います。シーズン中から健康状態を心配されていましたし、彼の中ではとっくにこの勇退宣言は予定されていたものでしょう。日本シリーズを前にしたこの時期での発表も十分に考え尽くされたものに間違いありません。

 普通なら監督の去就というのは日本シリーズ後に発表するものですが、日本一になってからの勇退ではいかな阪神でもおいそれと了承できないでしょうし、負けた後では責任を取っての辞任のようになってしまいます。この時期ならば、シリーズに向けてチームを奮起させる最高のタイミングです。星野の「悲願の日本一」を達成させる最後のチャンスということで、選手もファンも一体となって盛り上がれますし、主役の座を王監督から完全に奪い取ってダイエーを敵役にできます。指揮官として自らの地位を賭けた最高の一手だと言えましょう。

 しかも、星野は単に辞めるだけではありません。健康上の理由もあって勇退することは決めていたでしょうが、そのために次の布石をきちんと打っています。来季の阪神の監督は岡田でほぼ決定的でしょう。星野も外様の自分がいつまでも監督でいるつもりはなかったでしょうから、これはスケジュール通りの交代なのですが、負けて岡田に代わるよりも、勝って禅譲するというカタチの方が星野のイメージも良い上に、今後も影響力を保つことができます。

 もちろん星野の目指すところは、メジャー型のGMになることです。先日の巨人の原監督辞任劇にも見られるように、日本には真のGMがいないから、訳もわからずに監督が振り回されることになります。本来ならプロデューサーであるGMと、ディレクターである監督が両輪となってチームの強化を図らねばならないのに、野球を知らない、しかも責任も取らないフロントが現場を掻き回すから、監督交代を巡るゴタゴタ劇が続くわけです。

 星野は阪神においてすでに監督兼GMのような立場で動いていたようですが、ここで現場を岡田に任せて、GM専任としてチーム強化に当たれば、必ずや阪神は一過性ではない強さを得ることができるでしょう。そして、その成功は日本の各球団に野球を知っているGMの必要性を痛感させ、今までのような場当たりな的な補強は影を潜めることになるはずです。

 メジャーに押されっぱなしで地盤沈下を続ける日本のプロ野球を再生させる第一歩として、星野GMの誕生と成功を期待したいと思います。


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