幹事クリタのコーカイ日誌2003

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10月13日 ● マニフェスト対決。

 間もなく公示される総選挙は「マニフェスト対決」などと呼ばれているようですが、政権を取った時の公約で選挙を争うというのは至極当たり前のことであって、わざわざそれを言い立てるというのもかなりおかしな話です。つまるところ、新しい流行語が目新しくて、与野党もマスコミもそれに飛びついているだけでしょう。

 それはともかくとして、民主党に自由党が合流したことで、自民党に対抗しうる野党らしい体裁が整ってきました。小選挙区制をとっている以上、二大政党による対決が軸にならないと意味がありません。自民党の新保守主義(小さな政府によって、競争の機会が平等に与えられて、誰にでもチャンスがある社会)と民主党の社民主義(大きな政府によって、福祉を充実し弱者を守る社会)のがっぷり四つの対決ということが、マニフェストによって鮮明になるのならば、それなりに意味のある選挙になります。

 ところが、実際に喧伝されているのはお互いの「顔」ばかり。小泉・安部vs菅・小沢という双方の「顔」によるダブルスの試合になっているようです。このままでは完全なイメージ選挙であって、全くマニフェスト対決ではありません。

 そうなる原因は、先ほどの「新保守主義」と「社民主義」という政党の主張が、実はそれぞれの政党内部で統一できていないからです。確かに小泉首相の政策は一貫して「新保守主義」です。ところが元来自民党というのは、農村対策などをみてもわかるように社民主義的な政策をずっととってきました。各団体を手厚く保護して票を稼ぐのが自民党流です。「顔」は新保守主義ですが「胴体」は社民主義というねじれを抱えているために、結局マニフェストが曖昧になりイメージに頼らざるを得ないのです。

 対する民主党もねじれは同じです。もともと旧社会党系から旧自民党系までが「反自民」で集まっているような政党ですから、横路孝弘と鳩山由紀夫ではかなり主張に差がありました。そこへバリバリの新保守主義者の小沢一郎が合流したのですから、まとまるはずがありません。

 小沢が入ったことで、「これで民主党も政権を任せるに足る政党になった」と感じた自民党寄りの支持者が増えたことでしょうが、反面「これでは民主党ではなく第二自民党ではないか」と感じた人も多いと思います。とりあえずは小沢は「菅の子分です」などと言ってしおらしくしていますが、これはあくまでも総選挙向けのポーズでしょう。

 双方ともに政策的な内部矛盾を抱えたまま、とりあえずイメージで選挙を乗り切ろうとしています。実際に政権を任せた時に、本当にマニフェストが実現できる力があるのかどうか、まずそれを見極めないとなりません。公明党が自民党にくっついている以上、自民党が下野することは考えにくいですが、投票率が上がると面白い選挙になりそうです。


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