幹事クリタのコーカイ日誌2003

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10月6日 ● 下手でも心を打つ熱い戦い。

 日曜日は東山公園テニスセンターでシングルスの大会がありました。僕はエントリーしていなかったのですが、サークルのメンバーが出ていたので応援に行ってきました。

 その中の一人、T上ちゃんはソフトテニス歴は長いのですが、硬式テニスはほぼ我々のサークルに入ってからと言っていいくらい。サークルに入ってまだ1年ですが、熱心に参加しているので実力は急上昇中です。

 テニス歴が浅いだけに、シングルスの試合に出るのは今大会が初めてでした。それでもソフトテニスで鍛えた強力なドライブの効いたフォアハンド一本槍で予選を軽く勝ち抜き、決勝トーナメントに駒を進めました。

 1回戦の相手はまだ若そうですが、サービスが強烈でストロークも安定しているシングルス向きの子。かなり強敵です。ただ立ち上がり、まだ若い相手の子が硬くなっているのかミスが目立ちます。もっともT上ちゃんも試合に入るまでに随分待たされたので動きが硬く、お互いに早い段階でミスが出てしまいます。

 前半は二人ともサービスキープができずに一進一退の展開なのですが、3-4とT上ちゃんがリードされた頃から身体が温まってきたのか、少しずつ戦いが熱を帯びてきました。技術的には劣るT上ちゃんに「コースを狙わず、とにかくセンターに深くフォアハンドで押していこう」と僕もコートサイドからアドバイスをおくります。

 センターに打てばサイドアウトの心配もないし、相手は角度をつけにくいので、バック側のボールも回り込んで打つT上ちゃんには楽になるはずです。それまではなまじコースを振ろうとしてサイドアウトしたり、逆によりアングルをつけられてミスを誘われていました。

 このアドバイスが効いたのか、T上ちゃんのストロークが威力を増してきました。2ゲームを連取して5-4と逆転です。しかし、その次の相手のサービスゲームで威力のあるファーストサービスが連続で入ってキープされて5-5のタイに。6ゲーム先取ですから、次のゲームを取った方が勝ちです。もう見ている方がドキドキします。

 T上ちゃんはこの試合サービスが不調で、ダブルフォルトを連発していました。最後のゲームでもいきなりダブルフォルトしてしまいます。0-15。まずい、と応援団も青くなります。しかし、ここから踏ん張りました。1ポイントずつ長い長いラリー。15-15、30-15、30-30、40-30。そのたびに数十回もボールが往復してようやく1ポイントが決まります。弱気になってしまうとネットします。しかし無茶に攻めていけばミスしてしまいます。我慢、我慢、我慢、と意地の張り合いのようなラリーの末に、最後は相手のボールがバックアウトして、ようやくT上ちゃんが勝利を得ました。

 6ゲーム先取ノーアドの試合というのは、せいぜい30分もあれば勝負がつくものですが、なんとこの試合は50分もかかりました。大熱戦です。女子の初級クラスの1回戦ですから、決して上手とは言えませんが、それでもこれだけ気持ちが入った熱い試合は、人の心を打つものがありました。

 T上ちゃんは、この熱戦の影響で次の2回戦にいきなり足を痙攣させてしまいました。最後まで何とか戦い抜いたものの、ほとんど走れない状態では試合になりません。それほど1回戦は全力をかけた試合だったのです。負けたのは残念ですが彼女にとっては次につながる良い経験になったのではないかと思います。


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