幹事クリタのコーカイ日誌2003

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10月4日 ● 松井と小久保の差。

 巨人とダイエー。共通点は今年四番打者が欠けたことでした。巨人の松井は大リーグへ、そしてダイエーの小久保はオープン戦で怪我をして今季出場できませんでした。ともにチーム生え抜きで働き盛り、不動の四番打者としてチームメイトの信頼も厚い二人でした。

 四番打者が欠けたことで、より心配されたのはダイエーの方でした。ダイエーは単純に小久保が抜けただけですが、巨人はすぐにヤクルトの四番打者ペタジーニを引き抜いてきました。そうでなくてもかつての西武の四番清原や広島の四番江藤もいます。もちろん最強の三番打者高橋由も控えています。松井の穴なんてカバーできるのではないかと誰だって思います。

 ところが現実は逆でした。ダイエーはなんと井口、松中、城島、バルデスの三番から六番までが全員100打点以上をマークしてしまいました。史上初の「100打点カルテット」です。それだけではなく、チームとしての打撃記録、特に得点記録をことごとく塗り替えていき、球史に残る強打線として西武からペナントを奪還したのです。

 巨人はと言うと、怪我人が続出し、不協和音ばかりが聞こえてきて、名前だけの強力打線は見事に不発に終わってしまいました。松井の抜けた穴は誰も埋めてくれなかったのです。その責任はご存知のように原監督が取ることになりました。

 松井と小久保の差はなんだったのでしょう?僕は二人がいなくなったその理由の差だと思います。松井は来年も再来年もずっと先にも巨人には戻ってきません。巨人を捨てた四番打者です。しかし小久保は来年またチームに戻ってきます。リーグ優勝の時にも顔を出してチームメイトに感謝しつつ喜んでいました。

 戻ってこない松井の「ために」戦うという気持ちを巨人の選手は持てなかったのだろうと思います。しかし、ダイエーの選手たちはチームメイトの小久保のためにその穴を埋めようと必死で戦いました。どちらもプロですから、人のためになんか戦っていない、あくまでも自分のためにプレーをしているんだとは思います。

 でも、人間それだけではないのです。限界ギリギリのところで戦っているプロだからこそ、最後のちょっとしたモチベーションの差が大きな差になって現れてしまうのではないかと思います。ダイエー打線は小久保不在を糧としました。松井不在に一年間戸惑ったままだった巨人打線は、来年からようやく新しいカタチを作り直すことでしょう。

 逆に来年小久保が戻ってきたダイエー打線はどれほど強力なことか、とダイエーファンは夢想することでしょうが、多分今年ほど「100打点カルテット」が爆発することもないと思うので、チームとしての得点力はそれほど大差ないと思います。そんなもんです。


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