幹事クリタのコーカイ日誌2003

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9月1日 ● 『なぞの転校生』。

 昨晩のNHKアーカイブスで、1975年に作られた少年ドラマシリーズの人気作『なぞの転校生』が放映されました。懐かしくて思わず最後まで見入ってしまいました。

 NHK少年ドラマシリーズというのは、1972年から1983年にかけてNHK総合18時より放送されたドラマシリーズのこと。特にSFが人気で、当時多くの少年少女たちが筒井康隆、眉村卓、光瀬龍などのSF作家が手掛けた斬新な原作のSFドラマに夢中になったものです。この『なぞの転校生』をはじめ、『タイム・トラベラー』(『時をかける少女』が原作)『夕ばえ作戦』『幕末未来人』『七瀬ふたたび』などいくつもの良心的なSFドラマが作られました。

 低予算で作られているので、今の目で見れば「随分ちゃちだな」とか「大仰な演技」などと突っ込みどころはいくつもあることでしょうが、まだSFが一般的ではなかった時代に、子どもたちに「SF的なるもの」を植え付けた功績は大きく、その後SFが社会的に市民権を得ていく助力になりました。当時僕も中学生で、このドラマを見たことを契機に、原作の眉村卓の作品を読み、さらにそこから星新一、筒井康隆、小松左京らを読むようになりました。

 惜しいことにこの少年ドラマシリーズはNHKに作品が残っていないことでも知られています。今回放送されたのもファンが保存していたものを再現したということですし、総集編であって残念なことに最終回はあらすじだけの紹介にとどまりました。他のいくつかの作品はDVD化もされていますが、完全なものはないようです。

 テレビ草創期にはテレビ番組が後に文化遺産となるとは考えずに、保存などせずどんどん垂れ流していたようですが、今となっては本当に惜しいことをしたものです。これからも、当時の貴重な映像が発掘されて再現することを期待したいと思います。


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