パリで行われている世界陸上で末続慎吾が20秒38で3位に入りました。快挙です。なにせ日本人、いやアジア人が短距離で3位以内に入ったのは世界陸上、五輪を通じて初めてだからです。かつての「暁の超特急」こと吉岡隆徳や、そのロケットスタートの弟子である飯島秀雄も成し遂げられなかったことを、末続慎吾があっさりと狙い通りにやってのけたのだから驚きました。

　しかも末続は、ロケットスタートだけではなく、短距離種目唯一のファイナリストだった高野進の愛弟子で、その独特の走法を受け継いだ100m日本記録保持者伊東浩司、その2人に指導を受けて彼らの走りをさらに進化させての銅メダル獲得です。いわば日本の短距離のDNAを受け継いできた正統な後継者として、それを開花させたわけですから、これはまさに日本陸上界の栄光と言ってもいいでしょう。

　ただ今回銅メダルとは言っても20秒38と記録的には平凡な結果に終わりました。来年アテネ五輪までこのまま低調に終わるのか、それとも一気にこれから1年の間に記録が伸びるのかはわかりませんが、末続は当然これで満足することなく、19秒台を目指していくことでしょうし、そうでなくては今回の銅メダルが輝いてきません。まだ23才ですから、さらなる飛躍を期待したいと思います。

　ところでＴＢＳ！いくら末続の快挙があったからと言って、はしゃぎすぎ。一体何回レースのリプレイを流せば気が済むんだ？