会社の後輩女子社員Ｔ。実は僕が彼女の採用時に一次面談をしたという経緯があって、今でも何かと気にかけているし、彼女も頼ってくれるところがあります。そろそろお年頃なので、彼氏の話とかプライベートなことも聞いているのですが、どうやら結婚よりも趣味のモータースポーツの方に入れあげているようです。

　鈴鹿の8耐を毎年熱心に見に行っている彼女は、ひょんな縁からプライベートチームのオーナーと知り合いになり、いろいろ交流を続けているうちに、そのチームのスタッフとして手伝わせてもらえるようになったとか。メカニックのことは何にもわからないので、雑用係しかできないのですが、それでも憧れのモータースポーツの世界に足を踏み入れることができて有頂天のようです。

　この気持ち、実によくわかります。僕だって杉山愛のようなプロテニスプレーヤーと知り合いになって、そのスタッフとして何か役に立てるのならそんな嬉しいことはありません。もちろん、会社を辞めて家族を置いて、チームスタッフとして世界を一緒に回ろうと言われたら、現状では迷いますが、もし独身ならついていく可能性はかなり高いと思います。自分が世界を回るプレーヤーになれなくても、自分が支えることでその夢の一端を担うことができるのですから。

　Ｔもとりあえずは鈴鹿にチームが来た時の「お手伝い」に過ぎませんが、彼女の夢はプロライダーと結婚して世界のサーキットを一緒に回ることだそうですから、これがそのきっかけになることも十分にあり得ます。人間、願っていれば叶う夢もあります。願っていなければ何事も叶いません。

　僕には今さらクルニコワやハンチュウコワと結婚して（ウィリアムズ姉妹ではイヤ）世界ツアーを回ることは無理ですが、Ｔの夢は可能性があるだけに応援してやりたい気持ちです。