幹事クリタのコーカイ日誌2003

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6月29日 ● 伊達公子の言葉が耳に痛い。

 ウィンブルドンで大活躍の日本女子。杉山愛、浅越しのぶに続き3人目の4回戦進出を狙う森上亜希子がジェニファー・カプリアティに挑みました。普通に考えればとても勝つチャンスはなさそうな相手ですが、森上は健闘、真っ向から打ち合って善戦しましたが、結局4-6、4-6で負けてしまいました。

 ただ、カプリアティにスコアでは善戦したとは言え、本当にカプリアティを苦しめたかというと少々疑問です。カプリアティは肩の調子が思わしくないようで、見ていてもちょっとセーブしながらテニスをしていたという印象でした。全力を尽くさずとも森上相手なら勝てるという雰囲気を漂わせていました。

 サンプラスがかつて全盛期によく似たような試合をしていました。自分のサービスゲームを淡々とキープし続け、相手のサービスゲームはワンチャンスを生かしてブレイクして6-4とか6-3でセットを取るというスタイル。無理に頑張って6-0で勝たなくてもいいや、怪我でもしたらつまんないもん、という勝ち方です。本調子ではないカプリアティも似たようなゲーム展開だなぁ、と思いました。

 とは言え、今回のウィンブルドンは森上にとって大きな財産になることでしょう。この9年間グランドスラムの常連である杉山愛と違って、森上はまだ23才。初めてのグランドスラムは今年の全豪オープン。これで初勝利も経験、さらに続く全仏オープンも1回戦で負けたとは言え本戦に出場しました。そしてテニスの聖地ウィンブルドンで3回戦まで進んで、センターコートでカプリアティ相手に善戦したのですから、この経験が財産にならないはずがありません。杉山後の日本女子のエースとして期待ができます。

 ところで森上の試合を解説していた伊達公子が、「打った後に相手のコートを見ている、構えが遅い」と苦言を呈していましたが、この言葉はレベルは違えども同じテニスをする者として耳の痛いものでした。ついつい良いショットを打つと「決まったかな」と思ってその場で相手コートを見てしまいます。で、相手からボールが戻ってきた時に構えておらずワンテンポ遅れてしまいやられてしまうということは良くあることです。

 森上は今までのレベルの相手なら決まっていたボールが、カプリアティからは倍返しのようにカウンターで返ってきてやられてしまいました。僕たちも普段のメンバーよりも上のレベルの人を相手にすると、決まったはずのボールを易々と切り返されて慌てることがしばしばです。どんな時でも本当にポイントが決まるまではきちんと構えていなければならないのですが、わかっていてもなかなか難しいものです。伊達が注意したのは森上に対してですが、注意されたのは全ての勝てないアマチュアプレーヤーなのかも知れません。

 

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