いよいよ民放連続ドラマは落ち込んでいて、今クールは話題になった作品は一本もなかったと言っても良かったんじゃないかと思います。収穫ゼロというのも悲惨です。この状況から7月からの夏ドラマを俯瞰しても、とても期待できるとは思えません。しかし、その中から何とか見てみたい作品をピックアップしてみました。

　まず相変わらず若者向け恋愛ドラマの王道をいくのがフジ系月曜夜9時『僕だけのマドンナ…and I love Her.』。脚本岡田恵和、演出永山耕三、主題歌はサザンオールスターズと手堅いところが配され、主演に滝沢秀明、共演に長谷川京子、島谷ひとみ、緒方直人、小西真奈美、小泉孝太郎、小堺一機、森本レオ。謎の美女が純朴な青年の部屋に住み着くという、20代ＯＬ向けドラマとしてはかなり「狙った」企画ですが、残念ながら僕にはあまり興味がわきません。

　同じ世代をターゲットにしているのがTBS系日曜夜9時『元カレ』。タイトルからしてわかるように若いサラリーマンやＯＬを狙っていて、主演も堂本剛、内山理名、広末涼子。正直、ファミリー向けのこの枠で、これだけ若いキャスティングというのはいかがなものかと思います。

　どうせ若者向けなら、もっと若くしたTBS系金曜夜10時『STAND UP!!』の方がいいかも。童貞の高校2年生男子の青春コメディだということですから、気楽に見られると思います。二宮和也、山下智久、成宮寛貴、小栗旬、鈴木杏という生きの良い10代主演陣に加えて、釈由美子、的場浩司、西田尚美、段田安則、片平なぎさという共演陣が楽しそうです。演出も堤幸彦ですから期待大です。

　マンガが原作のフジ系木曜夜10時『Dr.コトー診療所』（吉岡秀隆、柴咲コウ、時任三郎、大塚寧々、小林薫、石田ゆり子、泉谷しげる、筧利夫）、フジ系火曜夜9時『クニミツの政』（押尾学、伊東美咲、佐々木蔵之介、吉岡美穂、横山めぐみ、大杉漣）は、どちらも社会派でそれなりに内容は期待できそうですが、なにせ主演が地味です。特に『クニミツの政』は押尾学では余りにもマンガになってしまいはしないかとちょっと不安です。

　ということで、僕の今クール一押しはフジ系火曜夜9時『ウォーターボーイズ』です。これは2001年に公開された同名映画の続編という設定で、シンクロに情熱を燃やす男子高校生の青春グラフィティ。映画が良かっただけにドラマも期待大です。主演の山田孝之以外は有名な若手は出ていませんが、脇を固める大人は映画と基本的に同じキャストのようですから安心です。

　それにしても大人のドラマがありません。夏ドラマはお気楽な青春ドラマが一番とテレビ局は思っているんでしょうね。でも若者は夏にテレビなんか見てないんじゃないかな、遊びに行ってしまうから。