幹事クリタのコーカイ日誌2003

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6月5日 ● 教えすぎない難しさ。

 若い頃にはわからなかったことが、年をとるとわかるようになります。仕事のことでも、人間関係のことでも、恋愛のことでも。その頃には悶々と悩んでいたり、どうしてうまくいかないんだと怒ってみたりしたことが、今から思えば自分の視野の狭さ、経験の浅さ、知識の欠如にあったんだな、と感じることが少なくありません。もちろん全てではなく、わかるようになることもある、というだけで、未だにわからないこともたくさんありますし、もしかしたら年をとって余計にわからなくなってしまったことも意外と多いのかも知れませんが。

 ただ、自分と同じところで悩んでいたり迷っていたりする若者や子どもを見ていると、ついついアドバイスをしたくなります。そら、そんなことはこうすれば簡単だよ、とか、こういう考え方もあるからね、とか。それは親切心半分ですが、後の半分は自分が得た知識や経験を自慢したいという部分もあるような気がします。誰だって苦労して身に付けたことは誇りたくなるものです。

 しかし、本人のためを思ったら、たとえそれが親切心からでも、本当は簡単にアドバイスをしてはいけないのではないかと思います。仕事の壁にぶち当たっている時は、やはり自分で考えてその壁を乗り越えていかなければなりません。悪い男(女)に振り回されてボロボロになってはじめて男(女)を見る目が養われるのです。自分で考えて試行錯誤を重ね解決していかなければ、その経験は本当の自分の力にはなりません。

 振り返れば、僕もいろいろ悩みました。あの頃、僕のそんな様子を見ていた先輩や上司は、きっとアドバイスをしようと思えばできたのでしょう。でも敢えてそれを控えて見守っていてくれた人が多かったのだと思います。お陰で、失敗しながらも自分で解決策を見出していくことができました。

 僕はついつい口を出してしまいがちな性格です。気が短いし、無駄なことが嫌いだから、失敗するのが目に見えているのに放置しておくことができません。でも、それでも敢えて口を出さずに見守ることが必要なのでしょう。人を育てるのは難しいものです。


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