幹事クリタのコーカイ日誌2003

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5月29日 ● 魂の置き場所。

 会社の先輩N島さんは、最近会社にも家庭にも魂を置いてない、と同僚から言われています。どこに置いているのかと言えば、彼の場合は彼の「思索」の中に魂の置き場があるとしか言いようがないので(N島さんはある意味、哲学者であり宗教家なのです)、説明が難しくなるのですが、とにかく一番の関心は仕事でも家庭でもないということです。

 他にも多くの同僚が会社に魂を置かずに働いているようです。かつて日本のサラリーマンは「モーレツ社員」で「働きバチ」で、仕事が生き甲斐であり、会社が家であり、会社の同僚が家族であったわけですが、そう考えている人はどんどん少なくなってきたということでしょう。

 上の世代からすれば「魂も込めずに仕事をしているなんて言語道断」と思われるかも知れませんが、魂を入れなくても仕事はきちんとできます。それはそれ、これはこれだと我々の世代になると理解しているからです。仕事はきちんとやるけれども、会社に魂を置いてきたりはしない、もっと自分の好きな場所に自分の魂は置いて人生を生きていきたいという人々が、ようやくマジョリティになってきたと言うことです。

 ではどこに魂を置くのか。これが難しいところです。家庭、というのはあるでしょう。平凡ですが基本です。趣味、というのもかなり多い気がします。若い人なら友だちとか恋愛相手とかが魂の置き場所かも知れません。まあある程度の年齢になってくると恋愛も友情も儚いものだと思うようになるので、あまり依存しなくなりますけど、若者は大いに依存して良いと思います。

 僕の場合は、自分で考えてもよくわかりません。家庭も魂の置き場所には違いありませんが、その割にはあまり大事にしているとは自分でも思えません。テニスもかなり人生において重要ですが、所詮は遊びですから魂を置いても(仮)という感じです。魂を置いてきたくなるような恋愛でもあれば楽しいのですが、かえってそれは人生を台無しにしそうな気もします。

 結局手堅い性格の僕のことですから、リスク回避のための分散投資というか、N島さんのように思索一本槍という潔い生き方ができずに、あっちにもこっちにも魂の置き場を確保して、細切れに置いてあるような気がします。こうしてあちらこちらの様子を見ながら、少しずつ絞り込んでいって、最終的にはどこかに魂の置き場を見つけて生きるのでしょう。

 あなたは、あなたの魂の置き場所が決まっていますか?


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