幹事クリタのコーカイ日誌2003

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5月16日 ● 40代で守り、50代で逃げ切り。

 週刊朝日にサラリーマンは40代になると急速に保守化する、という記事が載っていました。40代で守りに入って、50代で逃げ切りを図るんだそうです。まるで「だからダメなんだよ」と言われているみたいです。

 以前50代の先輩社員が「会社生活も残り10年を切ると、今年で何年目ではなく、後何年、と数えるようになる」と言っていました。当時まだ入社10年目をようやく超えた頃の僕は「ほー、そういうものか」と思って聞いていましたが、最近は何となくその気持ちがわかるような気がしてきました。

 僕も今年で入社21年目です。気がつけば会社生活も半分を過ぎ、残りを数えた方が早い年になってしまいました。さすがにカウントダウンするにはまだ数が多いのですが、でも折り返し点を過ぎたという実感は確かにあります。

 しかも昔と違って年功序列・終身雇用の世の中ではなくなってしまったので、そもそも本当にそうやって指折り数えていれば大丈夫なのかどうかもわかりません。バブルの頃なら、会社なんか辞めたってフリーでも食っていけるよ、みたいな風潮がありましたが、この厳しい御時世にそんな甘いことはとても言えません。

 自分の出世できる限界を見極めてしまった多くの中高年サラリーマンは、首筋が涼しいなぁ、と思いながら毎日会社に通っているわけで、そりゃ当然40代は守りに入るし、50代になっていれば逃げ切りを図ることでしょう。

 野球に喩えて言えば20代は1回〜2回、まだ試合は始まったばかり。30代になると3回〜5回。2回り目に入って試合が動き出します。ここで試合の大まかな流れが決まってしまうことも多いかも。で、40代は6回〜7回、大差がついていれば敗戦処理投手が投げています。接戦ならここが勝負どころです。送りバントやスクイズだってします。リードしてれいば、そろそろ守備固めをして手堅く守りに入ります。50代は8回〜9回。ここまできたら、もちろん逃げ切りを狙います。試合後の美味しいビールを想像しながら。

 それで良いのではないかと思いますけどね。なにも20代と50代が同じように仕事をして、同じような成果を挙げなくてはいけないということはないと思います。仕事は攻めるばかりではありません。じっくりと守ることも、時には地味な敗戦処理も必要です。もちろん40代、50代だって、20代と同じような気持ちでぶつかっていける人もいることでしょうし、逆に30代だって地味に守りたい人だっていることでしょう。

 中高年サラリーマンをさも不必要な人材のように言うのは、まだその活用方法をきちんと見出していないだけですし、そもそもこれまで頑張って働いて会社を支えてきた人たちに対して失礼ではないかと思いますけどね。今回の週刊朝日に限らず、マスコミは中高年を哀れみながら蔑むような記事が多くてイヤになります。ま、自分もしっかり40代なので、ちょっと今日は自己弁護気味ではありますが。


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