幹事クリタのコーカイ日誌2003

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5月8日 ● 35才ピーク説。

 以前会社の先輩が「広告クリエーター35才ピーク説」を唱えたことがあって、ちょっと社内で話題をよびました。本人はいたって素直に自分の思ったことを言っただけなのですが、なにせ会社には60才の人までいますから、大雑把に言って半分はピークを過ぎてしまった人たちということになってしまいます。それをそのまま認めるのも会社的には難しい話題でした。

 ただどんなことであれ、加齢による衰えというものはあります。スポーツにしろ芸術活動にしろ、「働き盛り」があり、そろそろ潮時、というものがあります。ピークというのは体力と技術、経験などの相関関係で決まってきます。水泳選手はピークがかなり早い時期に訪れますし、プロゴルファーならかなり年齢を重ねてからピークを迎えるようです。

 スポーツ選手はわかりやすいから良いのですが、一般的な職業ではピークの判断がつきにくいものもあります。例えば医師のピークはいつなのか?体力も必要ですが、技術も経験も新しい知識を学ぶ意欲も必要ですから、どの時点がピークなのか判断がつきにくいし、もちろん個人差も大きいでしょう。外科医と内科医では違ってくるかも知れないし、精神科医になるとまた必要な要素が変わってきそうです。

 学者のピークも学問の分野で違うという話を聞きます。数学者は若いうちから才能を発揮しないとダメとか、法学や史学などの分野では結構遅咲きもありだとか。では教師のピークは?政治家のピークは?料理人のピークは?システムエンジニアのピークは?運転手のピークは?作家のピークは?それぞれに「このくらいの年齢」というものがありそうですし、個人差も大きいでしょうから、きっとピークを過ぎても「まだまだ」と頑張っている人がたくさんいそうな気がします。

 ひるがえって我々広告クリエーターのピークは?と考えると、やはり35才くらいなのかなぁ、という気はしなくもありません。体力、発想の柔軟さ、新しいものを取り入れる気性、経験、勘、技術、知識、対人関係の上手さ、説得力、そういった必要な要素の総合的なバランスを考えれば30代が一番仕事ができそうです。もちろん個人の努力で、そのレベルを維持することは40代になっても50代になっても可能だとは思いますけど。

 ただどんな職業であれ、いつかはプロとして必要なレベルを保てなくなる時がくることでしょう。その時はすっぱりと諦めて勇退することが大事だと思います。会社員は少なくとも定年というリミットがあるのでやめざるを得ませんが、定年のない職業の人は自らの判断で身を引かなければならないのですから難しいとは思います。「老害」なんて言われるのはイヤでしょうが、そうなる前にやめる勇気はなかなか持てないのでしょう。

 ちなみにテニスプレーヤーのピークはプロなら20代半ばだと思いますが、アマチュアの場合はもっと年齢を重ねてからの方が強かったりします。特にダブルスは守備範囲が狭いので、体力よりも技術や経験、戦略、精神力の方が大きなポイントになります。「全国レディース」の強豪はみな30代、40代のオバサマたちです。

 もっとも「アマチュアに引退はない」ので、ピークなんか過ぎても楽しければいつまででもやっていられるところがまた良いんですけどね。好きなことでプロになんかなるもんじゃありません。


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