幹事クリタのコーカイ日誌2003

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5月7日 ● 結婚で人生が変わる。

 テニスサークルの女性メンバーは大半が独身なのですが、当然のごとく順番に結婚していきます。それはそれでおめでたいことなので良いのですが、幹事としては結婚してサークルを引退してしまうことが多いのが残念なところです。

 もちろん個々の事情は様々です。意外と多いのは結婚後、すぐに子どもを作ってしまうパターンで、いくら本人が結婚後もテニスを続けるつもりでいても、さすがに妊娠してしまってはテニスはできません。もちろん出産後も子育てが大変でテニスどころではありませんから、結局サークルからは引退というカタチになってしまいます。

 次に多いのが結婚と同時に、遠くに引っ越してしまって物理的に参加できなくなる、というパターンです。こちらは本人の意志次第では不定期に参加できなくはないのですが、やはり距離が壁になって次第に足が遠のくのも無理からぬことです。

 数は少ないですが、結婚したら旦那がテニスに行かせてくれないとか、姑と同居なので外に出づらいとか、結婚を機にすっぱりテニスから足を洗って旦那と一緒に遊びに行くようになったとか、仕事を辞めたので土曜日にパートのバイトを始めたとか、まあいろいろな人がいます。ただいずれにしても女性は結婚するとほとんどのメンバーがサークルに来なくなるので、どんどん人が入れ替わっていってしまいます。

 この18年間で恐らく数十人の女性メンバーが結婚してサークルを去っていきました。中には結婚披露宴にまで招待してくれるようなメンバーも何人もいて、まるで会社の上司か親戚の叔父さんのようにスピーチまでしてきたのですが、そんな仲の良い子でも、やっぱり結婚とともにやめていってしまうのです。これだけ結婚引退を繰り返されると、日本における女性の結婚ってどういうことなんだろう、と不思議に思ってしまいます。

 なにせ男性メンバーで結婚してテニスサークルを引退した奴など、過去に1人しか記憶にありません。ほとんどのメンバーは参加率こそ落ちても変わらずにサークルに参加しています。なのに女性だけが結婚によってテニスをやめ、さらにそれはテニスだけにとどまらず生活のあらゆることまで大きく変わっていくのです。

 もちろん、人によっては仕方なく変えている場合も、自ら望んで変えている場合もあるので、一概に良いとかダメとかは言えないのですが、いずれにしても女性にとって相変わらず結婚はそれまでの生活を「総とっかえ」するような大きな人生の転機であるということです。言い換えれば、21世紀になっても、未だに女性にとって結婚は生涯最大のテーマであり続けているとも言えると思います。

 1980年当時の僕が、今のこの状況を見たら「なんだ、まだそんなことなのか、世の中意外と変わらないものなんだなぁ」と思うことでしょう。当時大学の社会学研究室でジェンダー論についての文献をちょっとだけかじり、こりゃ女性の自立はどんどん進み、男女の関係はこれから大きく変わっていくぞ、と思ったのに。あれから20年余。女性の意識は変わってきたし強くもなったと思いますが、どうもその強くなり方が、当時の考えと少し違った方向にいってしまったような気がします。ま、理屈と現実はなかなか融合しない場合も多いですから、これもまた仕方ないことなのかも知れませんが。


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