幹事クリタのコーカイ日誌2003

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3月20日 ● 『仰げば尊し』。

 卒業式のシーズンです。昨日はうちの子どもの小学校でも卒業式で、PTAの副会長をしている妻も風邪を押して式に出かけていきました。街にも袴姿の女子大生が溢れていて、季節の風物詩だなぁ、という感じ。袴姿でいる数人の女子大生グループは好意的な目で見ているくせに、彼氏らしき男とツーショットしている袴姿女子学生に対しては、何となく東海林さだお的な敵意を感じてしまうのも、僕が中年男になったからでしょうか。

 ところで火曜日に最終回だったドラマ『僕の生きる道』。卒業式に間に合わずに主役の草なぎクンはガンで死んでいってしまったのですが、最後は担任しているクラスの生徒たちが『仰げば尊し』をコーラスで歌ってくれる中、眠るように息をひきとるという美しいシーンでした(最後の言葉が「砂肝」というあたりがまたおかしくて良いです)。

 あの場面で歌われる歌は、やはり『仰げば尊し』だよなぁ、と見ながら思ったのですが、最近の卒業式では実はこの定番曲をあまり歌わないという話を聞きました。僕たちが子どもの頃は、卒業式と言えば校歌と『螢の光』『仰げば尊し』は三点セットのようなものでした。これに『君が代』が加わることも考えられますが、日教組が強い学校では難しい問題をはらんでいたと思いますが、少なくとも三点セットは確実に歌っていました。

 僕は『螢の光』のセンチメンタルなメロディを当時「女々しい歌だ」と感じていて、どちらかと言えば『仰げば尊し』の方が力強く盛り上がれるので好きでした。もちろん『君が代』などお経のようで論外と思っていました。歌詞の意味まで深くは考えていませんでしたが、「我が師の恩」については好きな先生もいたことだし、素直に感謝して歌っていた記憶があります。

 卒業式にも相応しい歌だと思っていたのですが、どうして、いつの間にか歌われなくなったのか、それも全国的にそうなのか、この地域だけのことなのか。詳しいことは知りませんが、想像するにやはり「立身出世を煽っている」「教師と生徒が対等ではない」「古臭い」「文語体で意味がわかりにくい」「押しつけがましい」などという批判があったのでしょうね。哀しいことです。それに今の学校には教師に対して素直に感謝するような環境がないのかも知れません。美しい歌をこうして記憶から消していくのが教育なのかな、と疑問に思いました。

 

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