幹事クリタのコーカイ日誌2003

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2月21日 ● ダメになる店。

 名古屋の矢場町に「K」というレストランバーがあります。こじゃれた店で、狭く暗い階段を2階に上がっていくのですが、名前も入口の雰囲気もちょっと飲食店とは思えないしつらいになっていて、それ故に大人の隠れ家的人気がありました。

 僕も年に数回は立ち寄っていました。料理は可もなく不可もなくというレベルですが、暗くて天井が低く古い蔵を改造したような木造のムードが落ち着いていて好きでした。

 ところが昨日久しぶりに友人と行ってみたら、いきなり入口が明るいのです。照明が煌々と輝き、階段に敷かれた赤い絨毯が目にしみます。以前は階段の上り下りが危険だな、と思うほどの暗さだっただけに、安全対策で照明を変えたのかと思いました。

 ところが店内に入ってさらにびっくり。基本的なしつらえは以前と同じなのですが、壁を白く塗り直し、照明も明るくして実に健全な雰囲気になっているのです。前は隣のテーブルの客の顔も良く見えなかったのに、今では店内全体が見渡せてしまいます。

 正直言って、ちょっとがっかりでした。元々が雰囲気で売っていた店です。お酒はそれなりに置いてあると言っても、通好みではないし、料理は前述したように可もなし不可もなしというレベル。あまつさえ肝心要の雰囲気が普通になってしまったのでは、全然魅力がありません。あの近辺にある若者がたむろするような店と大差がないのです。

 お客ももちろん少なくなっていました。以前は夜9時台には全てのテーブルが埋まっていたのに、昨日は途中で2組客が来ましたが、結局最初も最後も僕たちだけ。ガラガラです。「ああ、こうしてこの店はダメになっていくんだなぁ」とつくづく感じました。早く気づいて元に戻せば立ち直れるかも知れませんが、改装費を惜しんだら危ないんじゃないかと思います。


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