幹事クリタのコーカイ日誌2003

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2月14日 ● 初バレンタインデー。

 バレンタインデーを始めて知ったのは小学校5年生、1972年の2月のことでした。多分その少し前からそういうイベントがあることは都会の女子中高生あたりを中心に広まり始めていたのでしょう。それが愛知県の片田舎の小学校に伝わってくるには少し時間がかかったと思います。

 僕の記憶ではそれは本当に突然やってきました。2月14日の朝から「今日はバレンタインデーというものなるぞ、女子が好きな男子に告白する日なんだそうだぞ、チョコレートを貰えるらしいぞ」と言う摩訶不思議な話がさざ波の如く伝わってきました。

 ほとんどの男子は当日になるまでそんな日があることすら知らなかったのですが、女子の間ではすでに前々から情報が広がっていたのでしょう。中にはちゃんとチョコレートを用意していた子が数人いました。男子の中にも姉貴がいる奴が少し聞きかじっていて、そいつが鼻の穴を広げて威張ってバレンタインデーについて男子に講釈を垂れていたと思います。

 その日のクラスの興奮ぶりは尋常ではありませんでした。その後30回、僕はバレンタインデーを経験していますが、最初のバレンタインデーの日の異常さは未だに忘れられません。なにせ40名を超えるクラス全員が初バレンタインデーなのです。集団で風邪をひいたような熱狂状態にあったことは間違いありません。

 大騒ぎした割に、その日にチョコを貰った男子はわずか2名だったと思います。当然僕も貰ってはいません。チョコを用意してきた女子の中には、結局渡せずに終わった子が何人もいたようで、異様な高ぶりの一日は“未完”という印象のまま過ぎていきました。

 翌年、小学校6年生のバレンタインデーはみんなが二度目の経験ということで、“完成度”はかなり高いものになりました。男女とも前日から準備万端、お互いに朝から真剣勝負の眼差し。大半の女子がそれぞれチョコを用意し、また男子もただ訳も分からずにはしゃいでいた前年と違い、好きな女子からチョコを貰えるかどうかで、かなりマジに思い悩んでいました。

 ほとんどの女子が男子にチョコを手渡しましたし、すでに義理チョコの走りのようなものも存在しました。多分特別好きな男子がいなかった女子の中には、イベントに参加したいがために数人の仲の良い男子に手渡した子がいたのでしょう。僕もこの年は始めてのチョコを3個ほど貰って一応カタチは整ったかな、という思いで帰宅したのを覚えています。

 ただ、実はその時好きだった女の子からは貰えなかったのですが、まだ当時はそれほど真剣に思い悩むことはありませんでした。本気で頭をかきむしるくらい悩むようになるのは翌年、中学生になってからのことです。


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