中一の息子は野球が好きです。しかし中学には野球部がありません。そこで野球をしたい子どもたちのために、熱心な親が地域のクラブチームを作っていて、息子は毎週日曜日にそのチームの練習に通っています。

　しかし、残念ながら週に1回練習するだけではなかなか上手くはなれません。チームは負け続けている上に、息子は鈍くさいのでちっとも試合にも出して貰えず、最近はあまり楽しそうではありません。

　息子は中学では卓球部に入っています。選択理由は簡単で、日曜日に練習がないから。野球の練習と両立させるには卓球部かバドミントン部あたりが最適なんだそうです。

　ところがこのどうでもいいような理由で入った卓球の方は毎日ちゃんと練習しているだけあって、着々と上達しているようなのです。息子は太っていて体力も筋力もないので、野球とかサッカーとかバスケとかはダメですが、卓球ならついていけるようです。しかも、監督に気に入ってもらえないと試合に出してもらえない野球と違って、卓球なら部内戦に勝ちさえすれば大丈夫。自己アピールが下手な息子でも試合に出るチャンスが巡ってくるのです。

　実際、先週の団体戦では2チームの下のチームに入れて貰えて、他校の2年生から負けたものの1セットを奪ったと意気揚々と帰ってきました。少し自信がついたようで、ますます卓球に身が入りそうです。

　さらに息子には卓球部に熱心に通う理由があります。どうやら部内に好きな女の子がいるらしいのです。男の子が燃える一番の理由は女の子と相場が決まっています。彼女に良いところを見せるためなら頑張ろうとするもの。しかも、息子の卓球部は男女一緒に練習していて、部内戦も一緒に戦うらしいので、彼女に負けるのはとってもカッコ悪いこと間違いなしです。

　ゲームとマンガ以外に好きなことがないという情けない息子ですが、これで燃える卓球少年になってくれることを父としては強く願っています。