幹事クリタのコーカイ日誌2003

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1月28日 ● アガシとナブラチロワ。

 テニス全豪オープンの男子シングルスで優勝したのはベテランのアガシでした。32才。1990年代のスーパーヒーローが2003年になっても未だにグランドスラムで優勝できるというところがアガシの凄さです。

 アガシと同時期にアメリカから一斉に飛び出してきたニューヒーローたちが4人いました。「アメリカ四銃士」です。ジム・クーリエ、マイケル・チャン、ピート・サンプラス、そしてアンドレ・アガシ。4人ともそれぞれグランドスラム大会を制したチャンピオンたちですが、クーリエはとっくに引退し、チャンも今年の全米オープン終了後の引退を表明しています。サンプラスは未だにピンポイントでは世界最強の一人ですが、なにせ2週間を戦い抜くだけのスタミナは失われつつあります。

 そんな中で、アガシだけが2週間どころから年間を通して、ヒューイットやサフィン、フェレーロ、ロディックらガンガンとのしてきたひと回りも年下の若手を相手に、全く互角に戦い抜いています。驚くべきタフネスさです。

 1970年代〜1980年代にかけて活躍した選手たちは30代になってもトップでいられました。しかし当時と今とではテニスそのものが変質してしまいました。丁寧につないでミスをしないで勝つテニスから、とにかく全力でハードヒットを続けて打ち抜くテニスになったのです。ラケットを始めとする道具の進化がそれを可能にしたのですが、その打ち合いについていくだけの体力も欠かすことができません。テニスの変質とともに男女とも急速に世代交代が進む中、アガシがベテランの意地を見せてくれているところに拍手を送りたいと思います。

 さて、アガシよりもさらに時代を遡ったスーパースターがタイムスリップしたかのように全豪では活躍しました。パエスと組んで混合ダブルスで優勝したマルチナ・ナブラチロワ46才。もちろんグランドスラム大会最年長優勝記録ですし、またグランドスラムの全種目を制した初の女性となりました。

 ナブラチロワと言えば1970年代〜1980年代にエバートと一緒に活躍した名選手です。僕たちがテニスを始めた頃のスーパースターです。1980年代後半にグラフと交代して女王の座を譲り、9年も前に引退し、そのグラフさえアガシと結婚して引退したというのに、それがいくらミックスダブルスとは言え世界のトップに返り咲くなど信じられない奇跡です。

 ナブラチロワがこうして頑張って優勝したことで、昔テニスをしていて今は離れてしまった中高年がテニスに戻ってきたら素晴らしいことですし、なにより衰退していく一方の日本の「見るテニス」が人気を取り戻したら、また地上波でテニス放送を堪能できる日が来るかも知れません。ナブラチロワにはアガシを上回る大拍手です。


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