1990年代前半はパソコン通信の全盛期でした。僕がパソコン通信を始めたのが1989年ですが、その頃はPC-VAN、Nifty-serveを二大勢力に、それ以外の大手中堅弱小草の根まで、パソコン通信ネットが雨後の筍のごとく登場して、草創期ならではの活気が溢れていました。

　僕は周りで誰もパソコン通信なんてしていない時に、四苦八苦しながらネットに繋いで新しいコミュニケーションを満喫していました。当時はオフ会というのが滅茶苦茶新鮮で、とにかく全く縁もゆかりもなかった人といきなり出会うなんて、すごいことだと思っていました。

　今の出会い系のように犯罪の温床になるなんてこともなく、とっても大らかな時代でした。特に気に入っていたボードのオフ会は、年に二回、温泉へ泊まりがけで行くという大がかりなものでした。ビンゴやイントロクイズなどのイベントも盛り沢山で、今から思えば準備も大変だったし、あの情熱はどこから湧いて出てきていたのか不思議なほどです。

　1997年、インターネットの世間への普及とともに、そのパソコン通信ネットも閉鎖されました。僕もその頃にはすでにこのサイトを立ち上げていましたから、それも時代の流れだと思いながら閉鎖へ至る道を眺めていたのを覚えています。

　で、当時熱心にオフ会をしていたメンバーが、久しぶりに同窓会オフをやろうと言い出して、この週末に知多半島の温泉へ行って来ました。集まったメンバーは当時コアだった連中ばかりで、7〜8年ぶりくらいに会った割には見た目も中身もほとんど変わっていませんでした。

　当時は毎日ネットに繋いで膨大な書き込みをしていた訳ですから、そのコミュニケーションの濃密さは相当なものでした。今回数年の時をおいていきなり集まっても、その頃の記憶が染みついているような感じで、全く違和感なくみんな話が弾みました。タイムスリップしたような感覚の中、楽しくて夜3時半近くまで話続けました。