この冬の民放連ドラが大本命を除いてスタートしています。この中から僕が見たのは『僕の生きる道』『熱烈的中華飯店』『美女か野獣』の3本です。

　『僕の生きる道』は要は黒澤明の『生きる』と同じような設定です。余命1年と言われた生物教師の姿を描くわけですが、ヒューマンなドラマにはまり役の草なぎ剛が主演ですから、破綻なくまとまっている印象です。

　ただその破綻の無さが平凡さ、つまらなさにも結びつくところで、10代〜20代には新鮮かも知れませんが、40代にはちょっと「ありがち」な印象を受けます。ステレオタイプな展開でありキャラクター設定ですから、この先見続けるには我々の予想を裏切るような「何か」が用意されていないと辛いと思います。

　『熱烈的中華飯店』は、ハチャメチャなコメディです。『ショムニ』のスタッフがメインで制作していますから、今後のノリも想像がつきます。とりあえず突っ込みどころ満載の無茶苦茶さを楽しめる人なら、脇役まで気を配ったキャスティングと凝った演出を堪能できることでしょう。

　『美女か野獣』は、この3本の中では僕は一番評価しています。何より主役2人に華があります。これは何より見ていて楽しい気分になれます。脚本は強引ではありますが、テレビ局を舞台にうまくカリカチュアされていて、気楽に見るのに適度な軽さが良いと思います。

　『熱烈的中華飯店』は凝りすぎていて疲れる部分がありますが、『美女か野獣』はそこを割り切っているところが僕には好感が持てるところです。どうしてこのドラマが月9ではないのかが不思議です。キャスト的には今クールのフジテレビ本命だと思うのですが。

　さて、残る本命はもちろん木村拓哉の『GOOD LUCK!!』です。ここまでスタートを引っ張らなくても、と思うくらいに遅いスタートですが、それだけ自信があるのでしょう。パーティでもわざと遅れて目を引こうというイヤな奴がいますが、まさにその感じです。これで外したらかなりカッコ悪いと思います。