幹事クリタのコーカイ日誌2003

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1月7日 ● 日本は本当に不景気なのか。

 僕は経済の専門家ではありません。どちらかと言えばド素人ですが、敢えて今日は新春経済談義です。新年の仕事始めで各社トップがそれぞれに厳しい経済状況に触れた談話を出しています。世間にも不景気だ、先が見えない、政府の無策ぶりには愛想が尽きた、などという声が充満しています。新聞雑誌などでも、常に将来の不安を煽るような記事が並べられて、とにかく今は不景気なんだ、当分この状況は続くんだ、と洗脳されているような気がします。

 しかし、本当に日本はいま不景気なんでしょうか?確かに経済のいろいろな指標を並べれば良くない数字が並んでいることでしょう。しかし、それは常に右肩上がり、経済成長することを前提にした上での話。すなわち、あの狂乱のバブル期を再現しようと考えているのなら不景気だということにしかならないのです。

 世間の人の暮らしぶりが本当に不景気なのかどうか考えれば、決してそんなに悪い状況ではないと思います。この年末年始の長期休暇で海外旅行に出かける人がたくさんいました。不景気なら休みが長いからという理由だけでドッとみんなが海外に出かけるとは思えません。

 一時期流行したユニクロ感覚のファッションが廃れて、今また高級ブランドが売れています。ファッション雑誌を開いてみればわかります。バブル期に負けない高額商品のオンパレードです。家電商品だって、高価なDVDレコーダーやプラズマテレビ、HDDナビなどがヒットしています。これらは生活必需品ではありません。無ければないで済んでいくのに、便利なものなら高くても売れるのです。

 ボーナスが減った、リストラが心配だ、会社は潰れないのだろうか、という不安は確かにあります。でもデフレはますます進行し、価格破壊はもはや常態になってしまいました。いま年金生活者は豊かです。金利はゼロでも、物価が上がらないどころか下がっているのですから問題ありません。年金の受給額は一定なのですから、インフレよりはデフレの方が良いに決まっています。特に資産をそこそこ持っている高齢者にとって、リストラもボーナスも関係ないのですから、この経済情勢は天国でしょう。

 年金受給者だけではなく、公務員も状況は同じです。彼らも世間の景気に関係なく一定の報酬が貰えます。リストラもありません。景気が良くてもボーナスがドカッと出ることはありませんが、景気が悪くても90%カット、なんて悲惨な目にも遭いません。公務員にとって物価が上がらず民間人がヒーヒー言っている今の状況は、バブル期に比べればはるかに好都合です。官僚が景気回復策に非協力的に見えるのは、そんな心情が絡んでいるからではないか、というのは穿った見方でしょうか。

 問題は長期的視点で日本の経済を考えた場合です。今の20〜30代が定年を迎える頃まで、日本がちゃんとやっていられるのかどうかは極めて不安です。今の日本は今の高齢者たちと同じです。中国の安い労働力に頼って物価を下げながら、過去の資産を食い潰し生きながらえている状態です。でも中国が本当に経済成長を遂げてしまったら。日本はどうやって生きていくのでしょう?

 今は実は本当に不景気なのではありません。日本人は相変わらず世界でも有数の豊かな国に住んでいるのです。我々はその豊かな生活を享受しています。問題は今ではなく未来にあります。豊かな今のうちに、体力がまだ残っている今のうちに、本当は痛みを伴う改革を行うべきなのです。

 逆説的に言えば小泉内閣が無策で何もしないから、今の豊かな生活が維持されているのです。政府が無策だから景気が悪いというマスコミの論調は、二重に間違っていると思います。


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