幹事クリタのコーカイ日誌2002

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12月27日 ● 「特別」感の喪失。

 最近ますます年末年始の「特別」な感じが失われつつあるような気がします。昔は年の瀬と言うと、なんだかよくわからないけどバタバタと慌ただしく、とにかく何でもかんでも年内に片づけて、すっきりとしておかないと「年は越せない」という気分が世間に横溢していました。

 20年、30年前の歳末は本当にやることが多くて、年賀状を書いたり大掃除をしたりお節を作ったりすることはもとより、餅をついたり、鏡餅をやたらとあちらこちらに置いたり、新しいカレンダーを用意したり、電球を換えたり、家族みんな床屋に行ったり、正月に着る服を新調したり、墓参りに行ったり、買い物に行かなくても良いように買いだめしたりと、本当にやることがたくさんあって忙しいんだからもう、って感じでした。

 ところが最近はそのあたりが本当に手抜きというか、全部やらなくても気がついたところだけやっておけばいいや、別にどうしても今やらないと困るわけじゃないし、という歳末風景に変わりつつあります。折角の長い連休なんだから、正月の準備なんかしているよりもどこか旅行に行こうという人が多いようです。

 会社でも、昔は年末にデスク周りを片づけて掃除したりしていたものです。滅多にしない机の雑巾拭きもしていたし、引き出しの中を整理したり、ゴミもまとめてこの時とばかりに捨てていました。ところが最近はそのまま休暇に入ってしまう若い社員が多く、全然特別な感じはしません。

 正月も同様に以前ほど特別な時期という感覚ではなく、ひとつの風物詩になりつつあります。新年は家で迎えたいと思う人の比率は若ければ若いほど急落していることでしょうし、年末年始に里帰りをする人も減ってきているでしょう。大半の若者にとって正月は単なる長期休暇であって、年が改まるとひとつ年を重ねて新しく生まれ変わるのだとは思っていません。

 あと20年もしたら、お正月関連のワードの大半が死語になっているような気がします。「お年玉」「初詣」くらいは残っているかも知れませんが、「鏡餅」とか「獅子舞」とか「年賀状」とか「お屠蘇」とか「注連飾り」とか、消えていきそうな言葉がたくさんあります。まあそれも時代の流れなのですから、仕方ないことです。今だってお年寄りから見ればかなり味気ない年末年始だろうと思いますから。

 

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