幹事クリタのコーカイ日誌2002

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12月26日 ● ノリの選択。

 中村紀が結局メッツと契約条件で合意していながら。事前に情報が漏れたとして約束を反古にして古巣近鉄に舞い戻ったことが物議を醸しているようです。大リーグ側は中村に非難されたことに対して「落度はなかった」と言っていますが、僕もメジャー側の言う通りだと思います。

 中村は11月にFA宣言してからずっと巨人だ、阪神だと、話が舞い込むたびに乗り気のような顔をし、挙げ句にメジャーの話も聞きたいとアメリカまで渡り、そこでメッツから好条件を示されてまた顔を綻ばせておきながら、最後の最後で「やっぱりやーめた」ですから、その経緯だけ見ても、あまりにもやることが子どもっぽいですし、優柔不断でカッコ悪いです。

 松井が周囲にきちんと気配りをし、どこにも迷惑をかけない形でスッキリとヤンキースに移籍したことに比べると、中村のやり方は近鉄、阪神、メッツの3球団を振り回すだけ振り回して、挙げ句に元の木阿弥ですから、相手をしていた方も内心では怒り心頭でしょう。ナベツネに「金髪を黒く染めてから来い」と言われて、敢えて赤く染めたそのシャレ心も、こうなると単なるガキの反抗だったのか、と思ってしまいます。

 結局、中村は在阪パ・リーグというプロ野球界でもマイナー中のマイナーにいることが心地よくもあり、また不満でもあったのでしょう。彼自身が「中村ブランドの価値」と言っているように、自分自身どれほどの評価をされているのかを知りたいためにFA宣言をしたのだとしか思えません。

 そして彼は巨人、阪神、メッツという3大人気メジャーブランドから十分な評価を受けたことで満足したのでしょう。本心では地元大阪の気取らない近鉄という球団の中で「お山の大将」として野球をやりたい訳ですから、後はひたすら断る理由探しをしていたのです。

 本当にアメリカで野球をやりたかったら、メッツの公式HPに情報が漏れたことなんて断る理由になんかならないことです。まあ大阪人は大阪が大好きでそれが世界の全てですから、そもそも本気でメジャーになんて行く気もなかったのでしょう。マンガ『あぶさん』の中で「近鉄に残留する」と景浦安武に言わせ、その予言通りになったのも、作者の水島新司が中村という根っからの大阪男の本質をちゃんと理解していたからこそです。

 でもまあやったことは子どもっぽいかも知れませんが、日本のプロ野球的にはマイナー球団にこういう派手な選手がいるのは決して悪いことではありません。結果オーライではないかと僕は思っています。

 

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