幹事クリタのコーカイ日誌2002

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12月14日 ● 赤穂浪士討ち入り300年。

 1702年に大石内蔵助以下47人の赤穂浪士が本所深川の吉良邸に討ち入りしてから300年。メモリアルイヤーだけに派手にいろいろ企画があるのかと思いきや、意外とテレビの特番も少な目だし、マスコミも騒いでいません。

 まあ数年前に大河ドラマで放送してしまったので、今さら忠臣蔵という感じがするのかも知れません。やはり大河ドラマの影響力は大で、今年はずっと「利家とまつ」のせいで日本の歴史上初めての前田家ブームでした。そして来年の大河は、利家よりもはるかに有名な宮本武蔵だけに、早くも武蔵本が書店の棚に並んでいて、空前の武蔵ブームが訪れそうな気配です。

 赤穂浪士に対してもっとマイナスなのは、彼らが「テロリスト集団」だという認識が少しずつ広まってきていることです。昨年の9.11テロ事件以来、世の中の空気は大きく変わり、テロこそ最も憎むべき犯罪になりました。これまで単なる痛快勧善懲悪物語だった忠臣蔵も、よくよく歴史を振り返って考えると、暗愚の殿様を持った故に浪人になった連中が、「名君」の誉れが高い吉良上野介を逆恨みして惨殺したテロ事件にしか過ぎないと思えてくるわけです。ま、あえて極論を言っていますけど。

 もしくは「仇討ち」という発想が、アメリカのアフガン空爆を想起させるのかも知れません。やられたら倍にしてやり返す、という子供じみた発想。恨みと暴力の連鎖は決して平和をもたらさないと考えると、赤穂浪士たちの大義も、アメリカの大義同様に胡散臭く思えてしまいます。

 正義の味方も立場を変えれば悪魔の化身。鉄人28号で横山光輝が訴えたこのテーゼは、アメリカとアルカイダにも、赤穂浪士と吉良にも当てはまります。忠臣蔵も難しい時代になってきました。


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