メジャー入りを表明した巨人・松井。すでに昨年の契約更改時から既定の路線だと思っていたのですが、その割には暗く神妙な記者会見でした。それほど「巨人の四番」であることにプレッシャーがかかっていたのかも知れませんが、もっと明るくハッピーな顔で行かないと、アメリカではやっていけないんじゃないかと心配になってしまいます。

　松井の意中の球団はニューヨーク・ヤンキースだと言われています。外野陣が比較的手薄だから松井も即レギュラーなんて声もありますが、メジャーはこれから選手が大移動します。ヤンキースが松井のために椅子を空けて待っていてくれるのかどうか、もう少し様子を見ないとわかりません。

　ヤンキースで心配なのは、日本人選手に対して厳しそうなところ。伊良部がかつてあのピンストライプのユニフォームに憧れて無理矢理という感じでヤンキースに入りましたが、悪役になっただけで放り出されてしまいました。

　それよりも、ドジャースやマリナーズのような、選手にもファンにも日本人が多い西海岸のチームの方が、松井にとってはプレーしやすい環境なのではないかと思います。

　ところで松井が抜けることで巨人もまた四番候補を他球団から物色にかかることでしょう。有力なのは近鉄の中村紀とヤクルトのペタジーニ、広島の金本。しかし、阪神もこれらの選手を狙っているらしいですし、巨人と阪神が争えば、当然中日も黙ってみているはずもありません。獲得競争は相当に激化することでしょう。

　ただ、今の巨人の戦力なら松井がいなくても十分に強力な打線が組めるはずです。四番候補だって、高橋由、清原、江藤といますし、これに清水や阿部、二岡らクリーンアップを組める選手が揃っています。無理にこれ以上選手を補強するのではなく、中村紀やペタジーニは阪神や中日に譲って、生え抜きの選手をじっくり育ててペナントレースを盛り上げるくらいの度量が欲しいところです。