幹事クリタのコーカイ日誌2002

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10月10日 ● 3年連続ノーベル賞受賞。

 小柴昌俊東大名誉教授のノーベル物理学賞受賞で、3年連続で日本からノーベル賞受賞者が誕生しました。白川英樹、野依良治に続く自然科学系での3年連続受賞という快挙は、単に「国威発揚」的な意味よりも、子どもたちに対して自然科学への憧れを喚起し、日本の科学技術力の向上発展につながることが大きいと思います。

 それにしてもノーベル賞も身近になったものです。僕たちが子どもの頃は湯川秀樹、朝永振一郎の2人だけしかいなかったために、とんでもなくそれは遠いものでした。「○○ができたらノーベル賞ものだよ」という表現は、本当に奇跡を起こすしかノーベル賞なんて貰えないという意味でした。

 湯川、朝永の両博士は我々にとってまさに生きた伝説であり、天才の代名詞でもありました。自然科学を志す学生にとって、まさに憧れの人でしたし、「ノーベル賞取るなら京大だよ」と言って、東大にソッポを向いて京大に進学した友人もいました。

 その後、自然科学系だけを取り上げれば、1973年江崎玲於奈、1981年福井謙一、1987年利根川進むとポツポツと受賞者が出るわけですが、それが自然科学への憧れをかき立てたかと言うと、どちらからと言えば、時代は逆に文系、特に儲かるとか潰しが効くとか言われた法・経済学系へと優秀な学生が流れる傾向にありました。理系学部生の学力低下、研究者の質の低下の危機が叫ばれたものです。

 だからこそ、ここにきてのノーベル賞ラッシュが与える影響を考えると、この連続受賞は素晴らしいことだと思います。湯川、朝永があったからこそ、それに続く学者が育って、今の快挙につながったわけですから、ぜひこの連続受賞が十年後、二十年後に、また大きく実を結んでもらいたいものです。


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