『筋肉番付』の特別企画「ＳＡＳＵＫＥ」が秋のスペシャルで復活しました。番組中に事故を起こして急遽打ち切りになった『筋肉番付』ですが、特にこの人気のあった「ＳＡＳＵＫＥ」には、この企画だけのために出てくる名物プレーヤーたちが揃っているので、番組がなくなって彼らは大丈夫だろうかと心配（？）していたところでした。

　もっとも、この「ＳＡＳＵＫＥ」は、元々が春秋の改編期の特番だけに、途中で『筋肉番付』の中止はあっても、「ＳＡＳＵＫＥ」自体は途絶えることなく続いているというカタチになってはいます。今回でなんと10回目。延べ挑戦者1000人という壮大な企画に成長しました。

　ガソリンスタンド所長の山本、レスキュー隊の竹田、完全制覇男・毛ガニ秋山、鉄工所アルバイトの山田など、この番組を見ている視聴者にはお馴染みの連中が顔を揃えて、いつものように「ＳＡＳＵＫＥ」に挑戦していました。

　かつてのクイズ王や、物真似名人、最近少し見かけなくなった大食いチャンプなどと同じで、有名人やタレントではない市井の人が、異能を発揮するのを見るのは妙に楽しいものです。

　繰り返し見ている間に、それまで誰も知らなかった無名の人物に対して視聴者がシンパシーを感じるようになります。また番組制作側も、キャラクターを前面に打ち出してドラマ作り、ファン作りに励みます。

　特にこの「ＳＡＳＵＫＥ」では、生活の全てをなげうって挑戦し続けている山田が最高のスターです。36才になっても、働きもせずに「ＳＡＳＵＫＥ」のためにトレーニングを続ける山田。今回も最後まで残りましたが、結局ダメでした。これで次にまた山田は挑戦することができ、番組もスターを失わずに済みました。

　たださすがに10回となると、かなりマンネリ色も濃くなってきました。少しずつ改良されているとは言え、基本的なスタイルも一緒なら、挑戦者に新味もありません。クイズ、物真似、大食いなど、全てマンネリになるとともに人気を失ってきましたが、果たして「ＳＡＳＵＫＥ」もどこで大きくリニューアルできるかがポイントのような気がします。