テレビで懐メロ番組を見ていると、「そんなのつい最近じゃん」と思うことがよくあります。1993年のヒット曲、なんて言われて、ミスチルやドリカム、B'Zあたりが出てきても「懐かしい」という感慨は全くありません。未だ現役バリバリの彼らではなく、当時人気があって今は消えてしまったTRFとかWANDSとかでも同じ。所詮つい最近のヒット曲という思いがしてしまいます。

　考えてみれば、すでに自分自身の過去が41年分も蓄積されているのです。40年近く前のことでも直接知っているのですから、10年程度遡ったくらいでは、大して古いという気がしないのも当たり前です。

　自分が体験してきた40年という時間の長さも、今になって振り返ってみればそれほど長いとは思えないのですが、では自分が生まれた年から40年前を考えてみると、これは結構愕然とします。僕の生まれた年から40年前というと1921年。日本は大正デモクラシーの時代。第一次大戦後で、好況に日本のみならず世界が湧いていました。国際連盟が作られたのが1920年。中国共産党の結成が1921年。ソ連が成立したのが1922年。またようやく欧米で男女の普通選挙が実現したのもこの頃です。

　そんな歴史の教科書で習ったような昔から、僕が生まれるまでが約40年。それと同じ長さの時間をすでに生きてきたのかと思うと、そりゃ古いよなぁ、と思ってしまいます。

　そして人生80年と考えれば、まだこの先も40年。それだけの時間があれば、世の中随分と変わるような気もしますし、逆に自分が生きてきた40年を考えると、それくらいの時間ではそうそう変化はないかも、とも思います。もっとも、本当にまだ40年も自分の時間があるかどうかは、ちょっと疑問ですけど。もう少し早死にしそうな気もしないではないので。