名古屋市の地下鉄にも痴漢防止対策として女性専用車両が設けられるということです。すでに他の地域では一部で行われている施策ですが、名古屋市でも30日から地下鉄東山線の中央付近の車両を一両、平日朝5時半の始発から9時の間、女性専用車両とするそうです。

　新聞によれば市営地下鉄では昨年朝の通勤ラッシュ時を中心に37件の痴漢による被害届けがあり、そのうち24件が東山線だったことから、朝の東山線に絞って女性専用車の設定を決めたということです。

　痴漢に悩む女性にとっては福音でしょうし、これも時代の流れですから仕方ないことですが、何となく名古屋にも痴漢がたくさんいるんだぞ、と改めて言われたようで男にとっては情けなくかつちょっとイヤな感じです。

　もっとも僕は東山線は利用していないし、そもそも朝5時半から9時なんて時間帯に地下鉄に乗ること自体が滅多にないので、まず女性専用車両に出会う機会はありません。ただ普段意識していないだけに、いつかボンヤリしていてその女性専用車両に乗ってしまうのではないかという恐怖心は感じます。

　実は僕は高校生の時に似た経験をしました。模擬試験の会場（確か中京大か名城大）でのことです。試験中から尿意を催していた僕は、試験時間が終わるやいなや、脱兎の如くトイレに駆け込み小用を済ませました。はぁ、と一息ついて手を洗おうとしたところ、ドヤドヤと女子がトイレに入ってくるではありませんか。向こうも僕を見てギョッとしています。

　「なんで男女兼用なんだろう？」と訝りながらトイレを出た僕は、改めて入口を見ると「女子」と書いた張り紙がしてあるではないですか。本来は男子トイレなのですが、模試の時だけは女子トイレが足りないので、女性用にしてあったのです。僕は走って真っ先に飛び込んだので、用が終わって出ようとしたところに女子が入ってきましたが、もう少しのんびりしていたら、とんでもない恥ずかしい目に遭うところでした。下手をすると痴漢扱いです。

　同じように（同じか？）急いで地下鉄に飛び乗って、間違えて女性専用車両に乗り合わせてしまう人が、多分何人も現れることでしょうね。乗り込むのも大変なラッシュのピーク時なら間違えないでしょうけど、始発からしばらくは車両も空いているので、きっと飛び乗って「はぁ、間に合った、良かった」とか思って汗を拭いていて、しばらくして周りを見渡して「あれあれ？」と気づくのでしょう。冷たい視線がきっとカラダに痛いだろうなぁ。まさかそれが快感になって、わざと乗り込むようなヘンタイもいるんだろうか？いそうな気がして怖いです。