幹事クリタのコーカイ日誌2002

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9月11日 ● 恵まれた仕事。

 月曜日に放映された『北の国から』のメイキング。『北の国から』で荒稼ぎを目論むフジテレビの、ある種あざとい商売ですが、それでもドラマの裏方の苦労を追いかけるこの番組は、ファンにはなかなか興味深い内容でした。

 番組スタッフが高齢化の波にさらされながらも、過酷なロケを敢行している姿は確かに大変そうですが、ただ僕はそれほど「辛そうだな」とは思えませんでした。むしろ羨ましいくらいで、それはいくら大変だからと言っても彼らが報われているからです。

 誰もが認める優れたドラマを作り、しかも高視聴率を獲得してビジネスとしても成功し、胸を張って「あれは俺の仕事だ」と言えるのです。それだけご褒美があるのなら、少々寒かろうが眠れなかろうがどってことはありません。あれをもってして「あんな大変な仕事はとてもできそうもない」なんて甘いことを言っていてはいけないと思います。

 仕事の辛さと言っても、いろいろな種類があります。単純に給料が安い、カラダがきつい、拘束時間が長いというだけではありません。見た目には一見楽そうでも精神的に追い詰められる仕事もあれば、やり甲斐の無さ、無意味さが辛い仕事もあります。

 誰も認めてくれないような地味な仕事を黙々とこなしている人もいれば、自分でも何をやってんだか、という虚しい仕事をしている人もいます。もっと言えば反社会的な仕事だってあって、熱心に仕事をすればするほど胸を張れなくなる人だって世の中にはいることでしょう。

 それに比べれば、世の中に認められ、それなりの報酬も得られ、その上後世まで残るような仕事というのは本当に恵まれています。ある大手ゼネコンの広告コピーで「地図に残る仕事」というのがありますが、あれなどもそのあたりの心理をうまく突いたコピーだと思います。

 我々広告業界も一見『北の国から』スタッフと同じように、苦労は多くても恵まれた仕事だと思われていることでしょうが、それは本当に一握りに過ぎません。恐らく業界の大半の人は、誰も興味を示さないようなチラシやDMやセールスビデオを作ったりしているのです。それでもみんな頑張っているのだからエライもんです。

 うん、ここのところ昼食にも行けないくらいに忙しく仕事をしているので、ちょっと自分を慰めてみました。それくらいで愚痴っていてはいけません。でも、やっぱり食事くらいはちゃんと食べたいよね。ほんと。


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