幹事クリタのコーカイ日誌2002

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9月5日 ● 忙しいと心が亡ぶ。

 それは中学三年生の初冬の時でした。当然僕は受験生だったにも関わらず、なぜか普通なら引退する生徒会の活動も「二年生が頼りないから」という理由で、無理矢理先生に押しつけられて続けており、バスケ部も引退してからも顧問の先生が入院してしまっために後輩の面倒を見させられ、挙げ句に「卒業アルバム製作委員会」なるものの委員長という名の雑用係も押しつけられていて、毎日雑務に追われていました。

 受験生なのに夜9時頃まで卒業アルバムの編集作業で職員室に一人残されて、先生と一緒に出前のカツライスを食べている時は、つくづく自分は何をしているんだろう、と思ったものです。

 先生に「忙しくて勉強している暇がない。これで高校受験に落ちたらどうしてくれるんだ」と冗談混じりに文句を言うと、先生は「クリタ、忙しいというのはそれだけ生活が充実しているということだ」と言うので、僕は「先生、忙しいという字は心が亡ぶと書くんだよ」と反論したら「お前はうまいことを言うなぁ」と感心されてしまい、余計にガックリきたのを覚えています。子どもでも知っているようなことくらい知ってて欲しいよな、と。

 ただ今でもこのやり取りを鮮明に覚えているように、その後の僕は「忙しいのは悪」という価値観を身に付けてしまったので、なるべくそうならないように時間を調整し、余裕を持ったスケジュールを作るようにしています。20才そこそこの頃に、当時読んだ岸田秀の本にも「時間があるのは暇なんじゃない、わざわざ暇な時間を作っているんだ」というような意味のことが書いてあって、わが意を得たりと思ったものでした。

  時間は有限であり平等です。どんな金持ちも権力者も1日は24時間しかないし、一週間は7日間だけです。今の世の中、なにより「時間持ち」が最も裕福で贅沢な者なのです。心が亡ばないように、なんとか努力をしているのですが、最近仕事がずっとバタバタしていて、だんだん心が衰弱してきているんですよね。もっとみんな、お互いに相手の時間を奪わないように気を遣いながらいきましょうよ。


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