幹事クリタのコーカイ日誌2002

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8月17日 ● 知事は王様じゃない。

 愛媛県の公立中学で「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史教科書(扶桑社版)が採択されたとのこと。全国の国公立普通中学では初めてということで、読売新聞は淡々と事実を伝えていただけですが、朝日新聞はかなりスペースを割いて経緯を伝えていました。

 この歴史教科書については、僕も以前市販された版を読みましたが、相当に編纂者の思い入れが強い「偏った」ものだと思いました。これだけ個人的な主張が強いと教科書には相応しくないでしょうし、教える方も教えにくいことでしょう。

 当然、各地の教育委員会もこの教科書を選ばず、結局全国シェアは0.039%だったとのこと。ところが、ここにきて愛媛県でいきなり採択されたのは、旧文部省OBの加戸知事の意向が強かったからだそうです。知事は以前から「扶桑社版がふさわしい」などと発言していたとのことで、これでは知事が圧力をかけて採択させたと言われても仕方ないでしょう。

 採択にいたる経緯が非公開なのも余計に議論をよぶところで、「知事の差し金」を否定するなら、愛媛県教育委員会は、はっきりとどうして採択に至ったのかを公表すべきでしょう。隠せば隠すほど言えないことがあるんだろうな、と思われるばかりです。まあここまでの経過では、思い上がった知事の強引な介入としか我々の目に映りません。

 東京の石原都知事や、長野県知事で再選を目指している田中康夫もそうですが、知事と言えども王様ではないのですから独裁者になられては困ります。まるで江戸時代の殿様のように、自分の領地領民のことなら思うとおり好き勝手にして良いと勘違いしているようです。

 地方にもっと権限を委譲しろ、という議論は大筋においては僕も賛成ですが、こうした「王様気取り」の知事が次々と現れて好き勝手やるようでは心配でなりません。それでも自治体レベルで済んでいるうちは良いですが、一部で待望されている首相公選制などは、とても怖くてできないと思います。


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