Ｍっちゃんに「最近面白いメール話はないの？」と聞くと、「本当に近頃の女の子は頭が悪いよ」と言います。前回も「台風一過」を知らない女の子が多かった、というので、今度もその手の話かと思って聞いてみました。

　「あんまり毎日暑いので、『今日の最高気温は37度。これならハダカで抱き合っている方が涼しいよ』って、メールをみんなに送ったんだよ。意味わかるよね？体温よりも暑いってことだよ」。そりゃわかります。下ネタ好きのＭっちゃんにしては、まあまだ洒落ている方でしょう。

　ところが「『どういう意味？』って、送ってきたギャグのわからない女の子が半分くらいいて、1人の女の子なんか、『こんなメールを送ってくるなんて、もう終わり』って。その子、写メールで写真見ても一番可愛い子だったから、必死で言い訳メール送ったのに、着信拒否なんだよ。ひどいと思わない？」。

　まあ下ネタ嫌いの女の子いるから、きっと真面目な子だったんだよ。いいじゃん、どうせそんな真面目な子は、とてもＭっちゃんの目的までたどり着けないからさ。「うーん、でもそんなに嫌わなくてもいいと思わない。下ネタって言っても下品じゃないしさ」。ま、確かにね。「それに、意味がわからないといけないと思って、メールの最後に丁寧に『（意味、わかるよね？）』って、ちゃんとフォローまでしていたんだよ」。・・・えっ？

　そりゃまずいでしょ。Ｍっちゃんは10人の女の子に同じメールを送っていると言っても、あくまでも1対1を装っています。そのメールの内容が『今日の最高気温は37度。これならハダカで抱き合っている方が涼しいよ（意味、わかるよね？）』では、Ｍっちゃんが婉曲的に誘っているとしか思えません。注釈がついたことで、一般的な話からいきなり個人的な誘いになってしまったのです。エロプロデューサーが「キミをこのドラマに起用するもしないも俺の胸先三寸なんだよ。意味、わかるよね？」って言っているみたいです。

　ちょっと真面目な女の子が怒ったのも理解できますし、「どういう意味？」と何人かの女の子が返信してきたのも、ギャグがわからなかったのではなく、意味がわかったからこその「どういう意味？そういう意味？」だったのです。

　僕たちにそれを指摘されて、初めて自分のミスに気づいたＭっちゃんは大慌てです。しかし、もう手遅れ。着信拒否の子はあきらめるしかありません。日頃「僕はコピーライターだから、メールの内容が面白くて、それでいくらでも誘えるんだよ。メールナンパの技術なら相当な腕前だと思うよ。レベル的には愛工大名電の4番バッターくらい。プロ予備軍ってとこかな」なんて、妙な例え話で自慢をしていたのですが、これではとても愛工大名電の選手達にバカにされそうです。