幹事クリタのコーカイ日誌2002

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6月22日 ● ブラジルうまい強いずるい。

 今回のW杯で一番見ていて楽しいのはやはりブラジルです。なにせ守備を考えていないのではないかと思えるような超攻撃的なサッカー。しかも日本のようにせこせこと組織的にパスを回して頑張るのではなく、ボールを持ったらとにかくドリブルで中央突破!パスを回す時もわざわざ真ん中の人がたくさんいるところで難しくパスを回したり、テクニックを見せてこそプロでしょ、みたいなノリが最高にファンタスティックです。

 今大会一番の好勝負と期待された昨日のイングランド戦。「ハンサム軍団」vs「ぶおとこ軍団」などと悪口も言われましたが、女性受けするベッカム、オーウェン相手に、サル顔(?)のロナウジーニョとリバウドが見事に2点を決めて逆転勝ちをしました。

 それにしてもブラジルには余裕がありました。先にオーウェンに先制点を決められても平然としていて「いつでも点なんか取れるもんね」という風情。実際にロナウジーニョの見事なドリブルからのパスを、リバウドがいとも簡単に同点ゴール。ロナウジーニョのテクニックが光りましたが、リバウドのシュートもコースが限定されていたのに、あっさり決めるあたり大したものでした。

 さらに2点目のロナウジーニョのフリーキックはまさに芸術的。ふわっとしたスピードのないキックなのに、ここしかないというコースに飛んでいって、イングランドの名手シーマンの手をすり抜けていきました。今大会ここまでロナウドとリバウドの陰に隠れていた「3R」の本領発揮という場面でした。

 ところが、このロナウジーニョが不可解なレッドカードで退場になってしまうと、ここからブラジルがまた巧いサッカーを見せました。当然の如く負けているイングランドはパワープレーにくるはずなのに、それをスルッとかわしてまともに組み合わないのです。イングランドサポーターにしてみれば「なぜもっと必死に攻めないんだ」とイライラするような展開だったでしょうが、あれはまともに相手をしないブラジルのかわし方が一枚上手だったのだと思います。

 少しずつ体力を削られて足が動かなくなっていくイングランドを冷静に観察しつつ、じわじわと首を絞めていくようなブラジルのサッカーは、一見ちんたらやっているようでその実、どうして凄みのあるプレーぶり。カウンターから点が取れる場面になっても追加点を狙うより、敢えてボールを敵陣の深い場所でキープし続けるいやらしさが、単なる「攻めだるま」ではない証拠です。うまさ、強さ、ずるさを兼ね備えた彼らは、いくら南米予選で苦戦したと言っても、やはり「セレソン」だったのだと改めて納得。30日の横浜に登場するのは、99%彼らだろうと確信したイングランド戦でした。


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