Ｗ杯の熱狂の陰で、商売上がったりなのがカラオケボックスなのだそうです。この数年、若者のカラオケ離れが囁かれていたのに、Ｗ杯でさらに客足が遠のいてしまったとか。もしかしたら、これでトドメを刺されて潰れてしまう店もあるかも知れません。かつてあれほどカラオケに行っていた僕も、考えてみれば最近すっかりご無沙汰しています。

　その傾向は最近のヒット曲を見てもわかります。一時期のようにカラオケを意識して作られた歌いやすい曲や、みんなで盛り上がることができる曲よりも、プロでなければ歌えないような「聴かせる」曲が多くなっていますし、そもそもメガヒット曲自体が少なくなってきていて、音楽業界全体が下降線を辿っている印象です。

　我々広告業界から見ても、ＣＭに必ずタイアップ曲をつけるという手法はかなり少なくなってきていて、それよりも聞き覚えのある古い曲をアレンジして聴かせる方がインパクトも強いように思います。クラシック、ロック、ジャズ、そしてかつての歌謡曲などの古典的な名曲や隠れた佳曲をいかに見つけてくるかがポイントです。

　カラオケでも最新ヒット曲を歌いまくるというスタイルよりも、メンバーに合わせた「ナツメロ」をセレクトする方が受けが良いこともしばしばです。もっとも、そんなある意味後ろ向きなやり方が受けること自体に、カラオケの衰退が見て取れるわけですが。

　ともあれ、カラオケボックスが空いてきたのなら、混んだところが嫌いで、人の裏を行くのが好きな僕としては、久しぶりにまたカラオケボックスに通ってみようかな、という気にもなります。これを読んでいるカラオケ好きな友人諸氏、久しぶりに一緒に行きましょうか？