幹事クリタのコーカイ日誌2002

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6月8日 ● 組み合わせの難しさ。

 人と人との組み合わせというのは、なかなか微妙なところがあります。例えば仕事でチームを組む時、リーダー的な存在としてチームを引っ張るタイプと、言われたことをきちんとそつなくこなす能吏的なタイプと、自由奔放にアイデアを出してチームを活性化するタイプなどがうまく噛み合うようにすると、個々の力が存分に発揮されながら、チームとしてのパワーも複合的に増していきます。

 これが同じタイプ同士を組み合わせると、ぶつかるばかりでまとまらなかったり、折角の能力が相殺されてしまったりします。特に引っ張るタイプと、引っ張られるタイプは、よくよく見極めないとなりません。部下としては優秀な人が、上司としては無能だったりすることもよくある話で、論功行賞的人事がしばしば組織をダメにします。

 話は仕事に限りません。例えばサークル内でダブルスのペアを組む時にも、この引っ張るタイプと引っ張られるタイプというのは重視します。単純に上手な順にペアを組むというのもわかりやすくて納得性は高いのですが、本当にペアとしての力を考えるのなら、個々のテニスの実力だけではなく、性格やプレイスタイル、そして相性まで含めてペアリングをしないと、ダブルスは強くなれません。

 いま全仏オープンテニスで勝ち進んでいる女子ダブルスの杉山愛と藤原里華のペアも、杉山がリーダーとして藤原を引っ張っています。年齢、実績、経験全てにおいて杉山の方が上ですから、当然と言えば当然ですが、多分それだけではなく、藤原は引っ張ってもらって力を発揮できるタイプなのだと思います。

 サッカーアルゼンチン代表でバティとクレスポがツートップを組めないのも、同じタイプだからこそ一緒には無理なわけですし、トルシエ監督が代表メンバー23人を選ぶ時にも、チームとしてのバランスと組み合わせを重視したために、中村俊輔が外れたことは想像に難くありません。もし単純にサッカーの上手い順に選んだのなら、中村は必ず入るはずですから。

 松井、清原、江藤、高橋と四番バッターばかりを並べた巨人に至っては、その前後を打つ仁志や清水、二岡、まで、気持ちはクリーンアップと同じですから、とても“打線”としてのつながりは感じられません。イチローのようにトップバッターは出塁することこそ全て、と敢えて長打を封印するような姿勢こそ、チームスポーツには必要です。

 そう考えると、今の日本の官僚が抱えるさまざまな問題点も、同質性が高すぎるせいではないかと思いたくなります。東大を筆頭に試験勉強が得意なタイプの学生ばかりを集めているから、組織に柔軟性がなくなり、国益よりも省益を優先するような内向き発想ばかりになってしまうのでしょう。しかも、一般企業ならそんなことをしている間に淘汰されていくので構わないのですが、省庁は痛くも痒くもないから困ります。

 いっそ、採用する人員の半分くらいは、志望者からくじ引きで選んでみたらどうでしょう?もちろん昇進でも差別せず、くじ引き合格者でも事務次官になれるようにしておけば、きっと官僚組織も大きく変わると思います。くじ引きって、運の強さを試験しているみたいなものですから、意外と大切な気がしますけどね。

 

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