中学生になった息子の、初めての定期試験がありました。中学1年の中間テストなんて、範囲はほんのわずかですから、真面目に勉強さえしていけば、かなりの点数が取れそうなものです。当然ボンクラ息子にも平均90点くらいは取れよと、とりあえず軽くプレッシャーをかけておきました。

　しかしなにせ信じられないくらいボーっと人生を生きている息子のことですから、実際には試験勉強もまともにしていません。社会の試験の前日に、ちょっと教科書から問題を出してやったら全然覚えていないので「なにを勉強したの？」と聞くと「問題集やった。でも教科書は読んでない」と答えるではありませんか。教科書を読まずに問題集だけやって終わりと思っているようでは、そりゃ試験で点が取れるわけはありません。本人が問題集の解答欄を埋めて自己満足しているに過ぎないのですから。

　試験が全部終わって「どうだった？」と尋ねると「結構できたかな。少し間違えたのもあるけど、ほとんど満点だと思うよ」などと自信たっぷりに言うではありませんか。しかし、この息子の言うことなど僕も妻も全く信じていません。どこからこの自信は出てくるのか不思議で仕方ありません。多分、本人は解答欄さえ埋められれば、もう正解したと思いこんでいるだけなのです。

　試験が戻ってきたら、案の定間違いだらけ。満点どころか社会など70点台です。“パルテノン神殿”すら覚えていないのに、満点取れるはずもありません。それでもこの期に及んで息子は「あれぇ、おかしいなぁ、どうしてこんなに間違ってるんだろう」などと呑気に言っています。まあ試験の点数にあまり一喜一憂して暗い顔になるよりは、これくらいのんびりしている方がストレスはたまらなくて良いでしょう。そうでも思わないと、こんな子どもの親なんてやってられません。