中国側の説明と外務省の説明がこれほどまでに食い違っていると、どちらかが嘘をついていることは明白です。自分たちの立場を守るために平気で嘘をつく。つくづく大人ってイヤだね、と子どもは思うことでしょう。大人だって思います。時として嘘をつかざるを得ないこともあるが故に、余計に大人の方がせつなく思います。

　特に今回は中国と外務省という、この世で最も信用できない二大巨頭の対決です。中国という国の不誠実さは、その長い裏切りの歴史を見るまでもなく誰もが知っています。「白髪三千丈」と誇張してモノを語る文化は、我々には「嘘」としか思えませんが、彼の国ではそういう「表現」に過ぎないのでしょう。南京大虐殺の犠牲者の数も年を追う毎に増えていくあたり、誇張表現の国家ならではです。

　対する外務省が信用できないこともまた日本人なら今や誰もが知っています。国益よりも省益を優先する官僚に、かつての国民からの信頼感はゼロです。自分たちの立場が悪くならないように、いくらでも虚偽誤魔化しをする連中だとみんな思っていますから、いくら領事館の役人連中が言い逃れをしようとも、みんな簡単には信用しません。

　嘘つき同士が「我々の言っていることが正しい」と言い張っていても全く信じられませんが、とは言え、ここはきっちりと真偽を明らかにしておくことが大事でしょう。それなしで「人道主義」を唱えつつ得意の玉虫色の解決でうやむやに事を済ますようなことがあれば、ますます日本は信用も信頼もされない国家になり下がってしまいます。

　そのために一番良いのは、恐らく亡命希望の5人が連行される場面も撮影していたであろう韓国メディアが、そのテープを早く公表することです。また日本のマスコミも、単に外務省叩きばかりしているのではなく、真相究明のために、もっと突っ込んだ取材をすべきでしょう。こんな時に真実を追求し明らかにできないで、何のためのマスコミか。やる時はやって貰わないと、官僚同様、日本のマスコミも「へたれ」という認識ばかりが広まってしまうと思います。嘘つき対決のジャッジは、マスコミの役割です。

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