幹事クリタのコーカイ日誌2002

 
 5月14日 ● ハローワーク・ナンパ。

 3月いっぱいで我が社との契約を終えてフリーランスのコピーライターになったMっちゃん。最近はほとんど会社で顔を見かけることがなく、仕事ないのかなぁ、と心配をしていました。いや、正確に言うと、仕事なくても食べていける身分のMっちゃんのことは心配はしていませんでしたが、Mっちゃんのバカ話が聞けず寂しく思っていました。

 ところが昨日、久しぶりに会社に現れたMっちゃんが「お昼一緒に行こう」と言うので、1時間余りランチをともにして、また驚くべき話をいくつも聞いてしまいました。

 店で席に着くなり、Mっちゃんが得意気に話し出します。「実はさ、失業保険貰えることになったんだよ」。な、なんと言うことでしょう。Mっちゃんは先ほども書いたように失業者ではなくフリーランスになっただけです。親の家に同居で住居費はかからず、子どもはおらず、奥さんは働いていて、しかもマンションを売った何千万円の貯金は丸々残っているのです。俗に言う人生の三大不良債権(専業主婦、子ども、住宅ローン)をひとつも抱えていない高等遊民なのに、その上失業保険まで貰おうとは太い魂胆です。

 「いや、それがさ、ハローワークによると、週に2日以内ならアルバイト扱いで就労していないってことになるんだって。しかも、いくら貰っても金額に上限はないから、1日に100万円稼いでいたって大丈夫なんだよ」。そんな、うまい話があって良いのでしょうか?「しかもその2日というのも自己申告だから、例え週3日以上働いたって2日だって言えばOKなんだってさ。まるで俺のためにあるような制度じゃない?」って、確かにその通り。フリーのコピーライターなんて出来高払いですから、就労時間は適当なものです。

 「それにね、前に貰っていた月の給料の何割ってことで失業保険の額が決まるんだけどさ、俺って年俸制だったからさ、年収全部12で割った額が月収になるわけ。普通はボーナス分がカウントされずに月給だけで計算されるんだけど、それに比べて基準がずっと高くなるんだよ。だから失業保険も満額貰えるんだよね」。おいおい、あんたはどこまでラッキーなの?稼がなくても食べていける身分で、何千万円もの貯金もあって、それでフリーランスで働いているのに、この上毎月30万円も国から小遣い支給かよ。

 本当に腹立たしいことです。我々がずっと払い続けている雇用保険料を、こんなMっちゃんが貰うのです。「Mっちゃん、もしかしてその失業保険が貰えること、奥さんには内緒だよね?」「鋭いねぇ、なんでわかるの?」って、そりゃナンパ王Mっちゃんだもの、月々30万円の軍資金の使い道は決まっているでしょう。

 「いや、それでさ、講習受けにハローワーク行くじゃない、そうすると会社つまんないからやめたって言ってる女の子とか隣に座っているんだよね。で、話しかけてお茶とか誘ったら簡単についてきてさ、へへへへ」。呆れてモノが言えません。軍資金だけではなく、カモまでハローワークは用意してくれているのです。お互いいい加減だし昼間は暇だから話も早いでしょう。「これからはハローワークでナンパの時代かな」。絶対ちくってやる。この話を読んだ関係者の人、なんとか制度を改めて、本当に困っている人にだけ失業保険を払うようにしましょう。

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